【9月17日付社説】ストレスチェック/上手に生かし心通う職場に

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 自分では処理しきれないほどの量の仕事があったり、上司や同僚が相談に乗ってくれない―。職場で、こんな悩みを抱えてはいないだろうか。仕事に多少のストレスは付きものだが、度を越すと心の病に陥る危険性がある。

 働く人のこうした心理的な負担を早期に発見し、心の不調を未然に防ぐため、従業員50人以上の事業所に義務付けられた検査「ストレスチェック」が、初回の検査期限となる11月末まで2カ月余りとなった。

 秋の健康診断に合わせて、いまの時期に検査を実施している事業所も多いはずだ。検査を機に職場を再点検し、心の健康に配慮した環境づくりを進めたい。

 ストレスチェックは一昨年の労働安全衛生法改正により、毎年1回の実施が定められた。初回は昨年12月からの1年間で実施する。県内では約2千社が対象となる。

 導入の背景には、過重労働やパワーハラスメントを原因に、労働者がうつ病など精神疾患にかかり休職したり、自殺するケースが相次いでいることがある。精神疾患による労災認定は長期的に見ると増加傾向で、2015年度は全国で472件、県内では10件あった。

 ストレスチェックは健康診断とは異なり、回答するかどうかの判断は労働者に任せられている。ただ、精神疾患のリスクを減らすためには、ストレスの程度を自覚することが大切だ。事業者側も、社員に対して意義を十分に説明し、理解を得るよう努めてほしい。

 検査は、ストレスの原因や心身の自覚症状、周囲のサポートなどについて問う調査票を使って行う。厚生労働省は事業者に対し、57項目についてマークシート方式で回答する「職業性ストレス簡易調査票」の利用を勧めている。

 回答を基に医師や保健師らがストレスの程度を判定し、検査結果を本人に直接通知する。個人の結果は、本人が同意しなければ、事業者側に伝わることはない。ストレスが高いと判定された人は、希望すれば医師の面接指導を受けることができる。

 検査は、事業者が社員のメンタルヘルスへの関心を高める契機になる。検査の結果については、部署ごとの大まかな傾向が事業者に伝えられる。結果を踏まえ、勤務時間の短縮や職場内のコミュニケーションの円滑化、適正な人員配置といった対策を確実に取ることが重要だ。

 働く人の心の健康を守ることは企業の業績を支える糧になる。心が通い合う職場にするためストレスチェックを上手に活用したい。