【9月18日付社説】敬老の日/安心して年をとれる社会に

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 県内の100歳以上の高齢者が1046人となり、記録がある1970(昭和45)年以降で初めて千人の大台を超えた。

 高齢化は今後も進む見通しだ。高齢者が安心して年齢を重ね、充実した人生を送ることができる社会をつくっていきたい。

 県によると、県内の100歳以上の高齢者数は全国で22番目に多かった。最高齢は109歳の女性で、男性は108歳。男女別では、女性が910人で全体の約87%を占め、男性は136人だった。21年連続で前年を上回っており、県は、医療進歩などを要因として挙げている。

 一方で、要介護認定者数(要支援を含む)は震災後に急増して、ここ数年は10万人台が続き、高齢者に占めるその割合は2割程度に上る。高齢者人口は団塊の世代が75歳以上になる2025年にピークを迎えるとされ、県内では59万7000人に達すると推計されている。医療や介護体制の一層の充実が求められている。

 このため県は、病院と介護施設の連携体制を県内6地域に整備したり、認知症の早期発見・治療に取り組む支援チームを59市町村に設置したりすることなどに取り組んでいる。いずれも市町村や関係団体の協力を得て進めているが、全県での整備に至っていない。県は主導的な役割を果たして早期の設置を実現しなければならない。

 豊かな老後を過ごすためには、生きがいを持つことも重要だ。県と市町村は、その一環として介護予防と合わせ、お年寄りらの交流の場を設けているが、参加は、開催を知らせた人の3割程度にとどまっている。

 県は町内会に働きかけるなどして、開催回数を増やしたり、参加しやすい環境を整える考えだ。新しい出会いは、新しい発見を生み、心をより前向きにする。高齢者が楽しく、気軽に社会参加できるような仕組みも各地に広げていきたい。

 総務省の調査によると本県の高齢者就業率は、全国的にみると15番目低い。高齢者の豊富な経験は企業活動に貢献し、人材確保に悩む職種の救世主にもなるだろう。働くことを希望する高齢者が仕事に就くことができるよう、県や市町村は企業に対して採用枠の設定や柔軟な勤務形態の整備などの働きかけを強めてもらいたい。

 あすは敬老の日。祝日法では「老人を敬愛し、長寿を祝う日」と定める。人は誰でも年をとる。高齢者を慈しみ、地域で支え合う社会を築くために何ができるか。改めて考える日としたい。