【9月20日付社説】会津身不知柿/輸出でブランド力に磨きを

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 本県を代表する秋の味覚の一つ「会津身不知(みしらず)柿」の輸出が5年ぶりに本格的に再開される。これを契機に国内外でのさらなる認知度とブランド力の向上を図りたい。

 会津坂下、会津美里両町とJA会津よつばでつくる「会津みしらず柿販路拡大促進協議会」が11月、タイ、マレーシア、シンガポールに身不知柿を輸出する。

 身不知柿は、東日本大震災と原発事故が発生する前の2008年から10年までの3年間、タイ、シンガポール、香港に輸出されて好評だった。

 震災後は全農県本部が14、15年に県産品応援の一環としてマレーシアとシンガポールに年間数百キロを輸出した実績があるが、生産地側が取り組む形での輸出再開は初めてとなる。

 今回の輸出量は調整中だが、両町でこの秋に収穫される身不知柿を、最大で計約8トン(約3万4千個)輸出する方向だ。

 輸出は県の輸出回復緊急対策事業補助金を活用して行い、輸送コストが安い船便と、現地への輸送時間が短くて済む航空便の二つの方法で柿の鮮度や販売状況などを見極める方針だ。現地のデパートなどでの販売を想定し協議会の担当者が販売促進活動も展開する。

 柿は、東南アジアでも一部で生産されているが生産量が少なく、品質の良い日本の柿は富裕層を中心に評価が高い。より効果的な輸出環境を検討するとともに、きめ細かな販売戦略を練り、さらなる輸出拡大につなげていきたい。

 身不知柿は、皇室への献上柿として知られている。「枝が折れるほどたくさんの実をつける」「あまりのおいしさにわれを忘れて食べ過ぎてしまう」―などが名前の由来とされている。

 他の柿と同様、ビタミンAやビタミンC、カリウムなど栄養分に恵まれるが、渋柿のためアルコールなどで渋抜きをして出荷する。外観が美しくて味が良く、なめらかな舌触りが人気だ。これらの特徴を積極的にアピールし国内外での需要を喚起することが重要だ。

 同協議会によると、JAに出荷される身不知柿の大半が会津地方で消費されるため、他県での風評の影響はほとんど受けていない。しかし販路が少ないことから栽培面積は減少傾向にあるという。

 身不知柿の輸出が順調に進めば本県のブランド力の強化にもなる。香港など県産品の輸入規制措置を続けている国や地域がまだ多い。県産品の輸出を一つでも多く増やすことが本県の復興につながることを銘記し、官民を挙げて輸出拡大の努力を続けたい。