【9月22日付社説】東電の経営改革/確かな廃炉の進展が肝心だ

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 何よりも大事なことは、東京電力福島第1原発の廃炉を確実に進めることだ。政府と東電はそのことをまず銘記してもらいたい。

 経済産業省が東電の経営問題を専門に議論する委員会を新たに設置すると発表した。

 廃炉費用は数兆円規模で増大が見込まれており、対応が遅れれば、廃炉はもちろん、本県復興も滞りかねない。政府と東電は専門委の議論を踏まえ、より実のある対策を講じるべきだ。

 経産省が東電の支援に乗り出すのは、電力小売りの自由化で東電の経営問題が再燃したためだ。このため専門委は、主要経済団体の代表らをメンバーとし、東電に対する廃炉費用の支援や経営改革を一体で議論する。

 経産省は一般の原発の廃炉費用を、大手電力が持つ送電網の使用料として新規参入の電力小売会社(新電力)が支払う「託送料」に上乗せする方針で、第1原発の廃炉にも適用させたい考えだ。

 専門委ではこの是非についても議論するとみられるが、託送料への転嫁が認められれば、東電の利用者だけでなく、新電力に切り替えた消費者にも負担を求める形になる。新たな負担増にはさまざまな意見があるだろう。専門委は多くの意見を聞いて最善の方法を見いだしてほしい。

 また原発事故関連の国民負担については、損害賠償や除染で、政府が原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて東電に資金援助している。廃炉費用についても負担を求めるのであれば、政府と東電は制度を理解してもらえるよう説明を尽くさなければならない。

 併せて専門委は、大規模な事業再編もにらんだ東電の経営改革の在り方を検討する。東電内には、支援と引き換えに抜本的な経営改革を求められることに反発する動きもある。

 しかし新たな支援策の検討は、東電が、現在の再建計画「新総合特別事業計画」に基づき進めている経営改革の実行が厳しくなり、政府に求めたことがきっかけだ。東電は専門委が示す改革策を真摯(しんし)に受け止め、年明けに改定する同計画にしっかりと反映し、新たな改革に乗り出さなければならない。

 第1原発の廃炉は、溶け落ちた核燃料の取り出しに向けた作業が行われているが、溶融燃料の所在などがようやく分かり始めたところだ。燃料の取り出し方法の確定や、取り出すための遠隔装置の開発など課題が山積している。

 専門委は30~40年後とされる廃炉完了までを見据えた長期的な視点を持つことが重要だ。