【9月24日付社説】引きこもり/早めの気づきが支援の一歩

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 学校や仕事になかなかなじめない一方で、手を差し伸べてほしいと願っている人たちがいる。その声をしっかりと聞いて、一歩踏み出してもらうための支援を充実させていかなければならない。

 内閣府は、家族以外とほとんど交流せずに6カ月以上自宅にいる15~39歳の「引きこもり」の人が、全国で推計54万1000人に上るとの調査結果を発表した。調査は昨年12月に実施。2010年の前回より約15万人減ったが、依然として50万人を超える高水準だ。

 引きこもりの期間は「7年以上」が最も多く、「長期化」と「高年齢化」が進んでいる実態が明らかになった。引きこもりは、その期間が長びくほど解決が難しくなるといわれる。早期の気づきと支援が重要だ。

 「集団行動が苦手で不登校になり、卒業後も家にこもるようになった。社会に出たいとは思うが、どうしたらいいか分からない」

 引きこもりに特化した相談窓口として県が設置している「ひきこもり支援センター」(福島市)に寄せられた声の一つだ。15年度の相談は963件で、前年度の2倍以上になった。

 同センターは、引きこもりの人や家族からの相談に電話や面接、訪問などで対応することを目的に14年4月に開設された。センターの存在が知られるようになったことで相談件数は大幅に増え、相談内容も多様化している。

 内閣府の調査をみると、引きこもりの状態になった年齢は、就職時にあたる20~24歳が3割強で最も多いが、15~19歳も約3割、14歳以下も1割強いた。不登校がきっかけになって引きこもりになったケースも多い。

 引きこもりを防ぐためには、学校教育段階からの切れ目ない支援が欠かせない。家庭と学校、そして関係機関が連携し合い、不登校の子どもを立体的に支えていく仕組みを作ることが求められる。

 内閣府の調査では、引きこもり状態から立ち直ったきっかけとして、「フリースクールに入った」「同じような経験をした人と出会った」などとの回答が目立った。

 県は、引きこもりの人たちに県内5地域で「居場所」を提供し、自立を支援する事業を行っている。ボランティア活動や地域の行事への参加を通じて、社会性を身につけてもらおうという内容だ。

 長期間、家に閉じこもり、人間関係を拒む状態は普通ではない。若者たちが未来に向かって立ち上がることができるような社会づくりにみんなで取り組んでいかなければならない。