【9月25日付社説】岳街道で土砂崩落/復旧急ぎ観光ルート確保を

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 二本松市市街地と岳温泉を結ぶ国道459号、通称「岳街道」で斜面の土砂が崩落し、全面通行止めとなった。復旧のめどは立っていない。

 県内は間もなく紅葉が見頃となり、秋の観光シーズン本番を迎える。岳温泉を玄関口とする安達太良山は県内の代表的な紅葉の名所でもある。復旧が遅れれば本県観光に大きな影響を与える可能性がある。道路を管理する県には安全確保に留意しながら一刻も早い復旧を目指してもらいたい。

 崩落した二本松市萩坂の斜面では、幅約40メートルにわたってモルタルを吹き付けた擁壁とともに土砂が崩落した。長雨の影響で地盤が緩んだためとみられる。

 斜面の上部には亀裂が見つかり二次災害の恐れがあるため、県は現地調査を行った後、復旧工事に着手する。調査で崩落の恐れがない場合は防護柵の設置などを進め片側通行で再開通させる方針だ。崩落の恐れがあれば通行止めは長期化する可能性が出てくる。

 県は、地元の住民や観光関係者らの協力を得て最善の手法を考え工期短縮を図ってほしい。

 県は迂回(うかい)路として、大玉村を経由する県道本宮土湯温泉線と、二本松市塩沢を経由する県道安達太良山線を設定した。迂回路を使うと同国道を通行するより約5~15分の遠回りになる。

 岳温泉観光協会や、安達太良山の観光ロープウエーを運行する富士急安達太良観光は「通行止めが長引けば、打撃になる可能性がある」と懸念する。県には、来県客が多い首都圏などで迂回路などの情報発信を強め、通行止めの影響を最小限に抑えるよう求めたい。

 県によると県内を訪れる観光客はここ数年、夏休みの8月に次いで10月が多い。岳温泉は紅葉と二本松の菊人形、そしてスキーと続くこれからが書き入れ時となる。年間約14万人が訪れる安達太良山は10月だけで5万~6万人が訪れる最盛期だ。崩落後初の週末となった24日も、大勢の登山客が迂回路を使い登山口を目指していた。

 紅葉狩りの観光客は、県内の複数の名所を周遊することが多い。通行止めが長引くようなことがあれば影響は他の観光地へと広がりかねない。本県の観光再生にブレーキをかけることがないよう関係当局が連携し合い対策を講じていく必要がある。