【10月1日付社説】全国学力テスト/勉強が身に付く取り組みを

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 文部科学省と県教委は、小学6年と中学3年の全員を対象にした2016年度の全国学力テストの結果を公表した。

 県内の公立学校に通う児童生徒の平均正答率は全国平均との差が15年度に比べわずかに改善したが、小、中学校合わせた8科目のうち、小6の国語Aを除く7科目で全国平均を下回った。

 県教委は算数・数学を中心に学力向上に取り組んでいるが、その成果が明確に表れていない。県教委は市町村教委、各学校と共に学力テストの結果を検証して、課題を全て洗い出し、学習指導の改善につなげなければならない。

 算数・数学は今回も小、中学校の全科目で全国平均を下回り、特に中3の数学Aは全国43位と低迷した。県内では、算数・数学の勉強が好きでないと答えた小6の割合が34.3%だったのに対し、中3では47.2%と高くなる。

 主として算数は正しく計算することに重点が置かれるのに対し、数学は答えに至るまでの過程や考え方が重視される。生徒の基本的な理解が深まらないまま、中学校での授業が行われてはいないか。再点検する必要がある。

 県内6地域別の正答率で、中3の全科目がトップとなった「県南地域」では、数学も全国平均に迫ったほか、国語2科目は全国平均を上回る結果となった。

 同地域と他地域との違いは、教育事務所が独自に指導主事を各学校に派遣し、授業の進め方などを助言していることだ。新人教諭とベテラン教諭に分けて助言に当たるなど工夫しており、その数は年間約200回に及ぶ。効果のある対策は他地域でも積極的に採用し、指導力向上とともに、地域格差の解消を目指したい。

 学校の授業以外で、平日に1時間以上勉強している子どもの割合は小6、中3ともに7割を超え、全国平均を上回っている。

 学習時間が長いのにもかかわらず、正答率が低いということは、勉強が身に付いていないということだ。子どもたちの習熟度に応じて課題を与えるなど、家庭での学習の質を高める取り組みにも力を入れなければならない。

 全国では、これまで下位だった高知県や沖縄県などが、独自の取り組みを重ねて学力テストの成績を伸ばしている。

 学力テストは、子どもたちの学習状況を把握するのが目的で、過剰な競争はすべきではない。しかし、学力は子どもたちが人生を歩む上での基本的な糧だ。多様な視点でデータを分析し、教育環境の改善に生かしてもらいたい。