【10月6日付社説】危機管理センター /「オール福島」で備え万全に

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 新しい器に魂を入れることができるかどうかが一番重要であることを肝に銘じてほしい。

 災害などが発生した時に、県の指揮命令や情報収集の活動拠点となる「県危機管理センター」が県庁北庁舎に開所した。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の教訓を生かした緊急事態への対応拠点として機能をフルに発揮させるよう望みたい。

 震災と原発事故の発生時、県が災害対策本部を置く予定だった県庁本庁舎は耐震性に問題があり使えなかった。次善の策として県庁に隣接する県自治会館に本部を設置したが、通信設備や電源が不十分で、市町村など関係機関との連絡や情報収集に支障を来した。

 このため県は、大規模災害などが発生した場合の初動対応や情報収集、県民に対する情報提供などを迅速に行うための拠点として危機管理センターを整備した。

 県によると、常設の災害対応拠点を整備したのは東北6県で初めてという。しかし震災と原発事故の発生から既に5年半が過ぎている。危機への備えに早すぎるということはないことを胸に刻み、スピード感を持ち、危機管理体制の整備に取り組んでもらいたい。

 センターは、県庁敷地内に新たに建設された北庁舎の2、3階に設置した。北庁舎は、震度7の地震を4程度の揺れに抑える免震構造を採用している。

 メインの災害対策本部会議室には、県内の全市町村や関係機関、南相馬と楢葉の2市町に設置された県原子力災害対策センターなど約70機関をつないでテレビ会議ができるシステムが導入された。

 通信関係では、緊急時に対応する連絡網システムや衛星電話などを配備した。停電への備えとしては一定時間電力の供給ができる無停電電源装置や非常用発電設備も設置された。

 センターの開所式で内堀雅雄知事は「59市町村で連携して災害対応に当たりたい」と話した。県庁内はもちろん、市町村や関係機関とともにオール福島で、県民を危機から守っていくという意識を共有することが何より大切だ。

 県が想定する危機管理は、自然災害や原子力災害だけでなく、大規模な火災や交通事故、感染症、通信システム障害、県の業務に関わるトラブルなど多岐にわたる。テロや海外で県民が巻き込まれる事件・事故などのリスクもある。

 県には、組織や体制をいくら整えても、危機意識を常に持たなければ、いざというときに機能しないことを、あらためて認識し、万一に備えるよう求めたい。