【10月7日付社説】高校入試見直し/学力と意欲を高める制度に

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 高校入試は多くの子どもたちにとって初めて迎える人生の岐路だ。生徒の学習意欲を高め、将来に向けて意義ある高校生活を送ることができるような入試制度にしてもらいたい。

 県教委は、1~3期に分けて行っている県立高の入試制度のうち、1期選抜(自己推薦)の見直しに着手することを決めた。試験の実施時期の繰り下げや、学力検査の導入を検討する。これまでの入試の成果と課題を洗い出し、受験生にとって最善の方法を構築することが重要だ。

 現在、1期選抜は2月初旬に行い、数日中に合格内定者を発表している。面接や作文・小論文、実技、志願理由書などの内容を総合的に評価する。学力検査は行わない。中学校での学習活動や、スポーツ・芸術など学力以外の実績、入学後の生活に対する意欲などをみて、合格者を決める。今春の入試では県立高全体の募集定員のうち約3割が1期で入学した。

 一般的な入試として位置付けられる2期選抜は、3月上旬に学力検査や面接試験などを行う。定員に満たなかった高校が再募集する3期は3月下旬に試験を実施している。

 制度の見直しは、1期合格者が3学期の早い段階で受験勉強を終えるため、残りの中学生活での学習意欲が低下するなどという指摘を受けたものだ。1期への学力検査の導入は、入学後の学習能力を平準化する狙いもある。

 現行の入試制度は2003年度から始まった。この間、国の教育政策は「脱ゆとり」に進むなど変化している。県立高入試の形も時代に合わせて変えていくことが必要だ。

 実際、推薦方式の入試は合否の基準が分かりにくく、公平で客観的な合否判断が難しいとして、全国では推薦入試などに学力検査を導入する都道府県に広がっている。15年度の入試は14年度に比べ2県増の13都県が学力検査を実施した。このうち宮城県は自己推薦の選抜だが国語、数学、英語の学力検査も行っている。

 しかし1期選抜で学力を重視するあまり、多様な生徒を受け入れるという本来の目的からそれてしまうようでは意味がない。学力と学校活動の成果をバランス良く評価できる入試の形が求められる。

 本県では、中学校でいかに学力を身に付けさせていくのかという課題があり、高校進学後を見据えた学力の底上げが必要だ。県教委は他県の事例も参考にして、基礎学力の向上につながる入試制度にしなければならない。