【10月9日付社説】スポーツの秋/健康への一歩を踏み出そう

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 色鮮やかなシャツを身にまとい、背筋を伸ばして軽やかにステップを踏む。来月で93歳になる太田健一さん(福島市)。毎週、地元の学習センターで開かれているダンス愛好会の練習に参加している。

 太田さんは50歳を過ぎてからダンスを始め、大会にも出場するようになった。いまも上位入賞を目指し、自宅ではスクワットやダンベル運動を欠かさない。「運動は目標を持つことと、習慣にすることが大切」と話す太田さん。3年ほど前、動脈解離で生まれて初めて入院したが、「手術をせずに治すことができたのは、体を鍛えていたおかげ」と笑顔を見せる。

 健康な心身を維持していくためには、日頃から体を動かすことが大切だ。いまの時期、運動会やスポーツ大会が多く開かれている。そして、あすは「体育の日」でもある。爽やかな気候の中、スポーツで気持ちのよい汗を流したい。

 運動は、日常生活を支障なく過ごすことができる「健康寿命」を延ばすことにつながる。厚生労働省の調査では、本県の健康寿命(2013年)の平均は男性が70.67歳、女性は73.96歳だった。平均寿命から健康寿命を引いた期間は、男性で10年、女性は13年ほどになる計算だ。自立した生活を長く過ごすためにも、健康寿命と平均寿命を近づけることが肝心だ。

 近所をランニングしたり、公民館の体操教室に参加するなど、運動は身近な所で楽しむことができる。中でもウオーキングは気軽にできる運動の代表格だ。今月22日は「うつくしま・みずウオーク西郷大会」、来月19日は喜多方市で「長床ウオーク」などのイベントも開かれる。紅葉を楽しみながら歩くのが心地よい季節だ。

 運動が大切なのは高齢者に限らない。県内では震災後から、子どもたちの肥満傾向が顕著になっている。また、40歳以上を対象にした特定健診(13年度)ではメタボリックシンドロームに該当した人の割合が全国で3番目に高かった。

 時間を見つけて親子でキャッチボールをしたり、公園で遊んだりして体を動かしたい。運動不足の解消になるだけではなく、家族のコミュニケーションも深まる。

 県は本年度、ウオーキングなど健康的な活動をポイント化し、点数を集めると協力店で特典を受けられる事業を始めた。運動の習慣付けに活用してはどうだろうか。

 本県にはサッカーや野球、バスケットボール、アイスホッケーのプロスポーツチームがあり、試合が県内各地で行われている。迫力あるプレーを観戦して刺激を受ければ、運動への意欲も増すはずだ。