【10月13日付社説】政務活動費/前払いやめて透明性高めよ

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 地方議会の政務活動費(政活費)の在り方が問われている。本県の県議会と市町村議会も自らの課題として受け止めるべきだ。

 富山県議会と富山市議会で政活費の不正取得が発覚して以来、全国各地で不正や不透明な支出が明るみに出ている状況だ。

 政活費は、政策の調査研究や研修、陳情活動などの経費を補助するために、自治体から報酬とは別に支給される。富山市議会のケースでは、領収書を改ざんし、開いていない市政報告会の費用を請求したり、菓子代を水増ししたりして、懐に入れていた。

 支給額は条例で決まり、余った分は返すことになっている。「使い切らなければ損」という考えが働いたとすれば、議員としての資質に欠けると言うしかない。政活費は「生活費」ではない。

 政活費は議会事務局から議員に直接支給されるところもあれば、所属会派を介して手渡すところもある。不正の背景には、制度で認められている「前払い制」の存在が指摘されている。議員個人は会派と議会事務局、会派の場合は議会事務局のチェックを受けるが、その機能には限界があるからだ。

 前払いは、災害時などに迅速に対応できるという効果があるかもしれないが、もらった分を使い切ろうとして、不正を生む温床になる可能性があるのだとすれば支払い方法を見直すべきだ。

 京都府の京丹後市議会は2015年度から全国に先駆けて後払い制を導入している。議員はあらかじめ政務活動の費用を負担し、半年に1度、報告書を提出し政活費の支給を受けている。同年度の支給額は上限の約6割だった。

 県内で政活費を支給しているのは県議会と、全13市、西郷、中島、矢吹、浪江の4町村の議会。そのほとんどが半年分などを会派に一括支給する形を取っている。

 15年度の都道府県議会の支給額に対する執行額の割合(執行率)をみると、本県議会は97.6%で、神奈川県に次いで2番目の高さだった。杉山純一県議会議長は「議員が適正に執行した結果だ」と話している。

 執行率の高いことが問題だとは一概には言えないが、富山市議会は15年度に支給額の全てを使い切っている。「李下(りか)に冠を正さず」という面からも見直しが必要だ。有権者の目は厳しい。

 政活費を適正に使うことだけが目的になってはならない。政活費を使い、住民福祉が向上したかどうかが肝心だ。議員活動に見合った透明性のある制度に変えていくことが重要だ。