【10月14日付社説】会津の森林資源活用/地域循環型のモデル実現を

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 会津地方13市町村の官民が力を合わせて豊富な森林資源をフル活用し、循環型地域経済の先進モデルをつくり上げてもらいたい。

 今年7月に発足した民間主体の協議会「The13」に続き、今月12日には市町村でつくる協議会が設立された。化石燃料に代えて、未利用木材を熱源などに利用する取り組みが加速することになる。

 The13は、県会津地方振興局管内の13市町村の商工会議所、商工会、企業が中心となる。面積の7割超を森林で占める会津地域の特性に着目、木材資源の有効活用や雇用創出、林業の6次化などを模索する。これまでに研修会や先進地の視察などを行った。

 行政側の協議会は、総務省の補助事業「分散型エネルギーインフラプロジェクト」の採択を受けて基本計画策定事業協議会としてスタートした。本年度は森林資源の量やエネルギー需要、供給能力などを調査する。目標とする事業を実現するためには二つの協議会が車の両輪となることが重要だ。

 13市町村の取り組みは、森林資源の木質バイオマス燃料への活用をメインに据える。同燃料は、間伐材や製材した残りの端材などを細かく砕いて固めペレット状にしたもの。ボイラーで燃やすことによって、住宅や農業用設備の暖房などに活用できる。

 木質バイオマス燃料は、化石燃料に比べて二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、地球温暖化対策や省エネ効果が期待される熱源として欧米などで浸透している。13市町村での取り組みは、原発事故後、本県が目指すエネルギーの地産地消にも合致する。

 政府と県が進める福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想で、浜通りに製造拠点の整備が検討されている「CLT(直交集成板)」についても、会津から原材料となる木板「ラミナ」を供給することを視野に事業や調査を進める。

 CLTは、木板を交互に組み合わせ、何層にも重ねて接着して作る新建材。森林に眠っている国産材の活用が見込まれることから、日本の林業の救世主になる可能性がある。県産材の利用が進めば、中山間地域の活性化や森林保全などに波及効果が期待できる。

 13市町村が目指すのは、原料の調達からエネルギー供給、消費までを地域の中で行う循環型地域経済の確立だ。森林資源を有効活用することで林業はじめ産業が活性化し、新たな雇用を生むことができるだろう。13市町村の取り組みを実現させて、その成果を全県に広げていきたい。