【10月16日付社説】新聞週間/未来をひらく力になりたい

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 「新聞を 開くその手で ひらく未来」を代表標語にした第69回の「新聞週間」が始まった。

 津市に住む17歳の高校2年生の作品だ。今夏の参院選から選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられ、この高校生は来年、選挙権を得る。「新聞からさまざまな情報を得て、責任ある一票を投じたい」。標語には10代の決意が込められている。

 こうした若者たちが、未来を見据えて、考え、判断するために欠かせない情報と視点を提供するのが新聞の役割だ。

 「日々のさまざまなニュースが掲載された新聞は、若者が俯瞰(ふかん)的、複眼的な視点を持つための非常に良い教材になる」。桜の聖母短大の西内みなみ学長は新聞が果たす役割について本紙のインタビューに答えている。

 インターネットの普及によって、若者たちがニュースや情報を知ろうと思うときに、スマートフォンやパソコンを利用する傾向が強まっている。

 しかし新聞にはネットにない強みがある。日々の紙面が内外の政治や経済からスポーツ、文化に至るまであらゆる情報で満たされ、見出しの大きさなどで重要度が一目で分かるようになっている。
 加えて地方紙は、地域に密着して、身近な出来事や教育、生活と日々の暮らしにまつわる情報も幅広く、小まめに伝えている。

 ネットに流れているニュースの多くは、元をたどれば新聞記事であり、それとともにあふれている臆測やデマを修正したり訂正したりするのも新聞の役割だ。若者から頼られるメディアとしての存在意義を高めるために、さらに工夫を凝らしていきたい。

 学校教育の現場で新聞の活用が拡大している。2011年度から学習指導要領に新聞の活用が明記されたことや、新聞を教材に活用するNIE(教育に新聞を)の取り組みが広がってきたことが背景にある。

 文部科学省の調査では、児童生徒の閲覧用として学校図書館に新聞を置いている公立小中学校は4割前後で、年々増えている。同省の全国学力テストでは、新聞を読む頻度が高い児童生徒ほど正答率が高いという結果になった。新聞を生かした教育の充実に貢献できるよう努めていきたい。

 東日本大震災と原発事故から5年7カ月余り。本県の復興はまだ道半ばであり、さまざまな課題を抱えている。県紙として何ができるかについて常に考えながら、県民に向き合い、手を携えて、復興への道を歩むことを誓う。