【10月19日付社説】海外企業との提携/互いに高め成長する契機に

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 医療や再生可能エネルギー、ロボット関連分野で、県内企業と海外企業による業務提携の動きが活発化している。互いに技術力を高め販路を築く契機として提携のメリットを最大限生かし、本県の産業復興をけん引してもらいたい。

 県内と海外の企業提携が本格化したのは今年に入ってから。医療機器製造などに取り組む県内企業3社と、海外の企業との業務提携が今月、動きだすのはその表れだ。

 県によると、これまでに8件の業務提携が成立している。このうち合弁会社をつくって海外企業が県内に進出するのは4件、販売店契約を締結し県内企業が販路を開拓するのは2件だ。共同でドイツに研究拠点を設けたケースも2件ある。提携以外にも8件が共同研究に取り組んでいる。相手先はドイツやベルギー、イタリアと台湾、香港の計5カ国・地域に上る。

 県内に進出する海外4社は、2~3年後をめどに県内で製造工場の開設を目指しているという。実現すれば、新たな雇用創出にもつながる。県は市場調査の支援などで各企業を後押しし、生産拠点の開設につなげてもらいたい。

 医療、再生エネ、ロボット関連の3分野は将来的に成長が見込まれ、県は産業復興の重点プロジェクトの核に据える。ドイツで開かれる世界最大の展示商談会「メディカ」に出展する県内企業を支援するなど、その技術力の高さを海外に紹介している。

 また県内と海外の企業が行う共同研究や、県内に進出を目指す海外企業に対し、他県よりも手厚い補助制度を設けている。国境を超えた業務提携が進んだのは、これらの成果とも言える。

 しかし海外の企業には、原発事故の影響への不安があるという。ドイツなどで県が開いている現地企業向けのセミナーでは、今でも「福島は安全か」という質問が出る状況だ。県は政府の在外機関などと協力し、本県復興が進む現状などを発信、海外企業に本県への理解を促すことが求められる。

 3分野は欧米が先進地だ。医療分野では、これらの国の企業は先進技術を駆使し日本にはない特殊な製品を作っていたり、製品へのニーズが高い欧州や北米への販路を持っていたりする。業務提携は県内企業にとって、事業拡大へのメリットは大きい。

 製造や販売など関連する法律や商慣習の違いなどハードルはあるが、県内企業は世界市場を見据えて新たな経営戦略を練ることも必要だろう。県は、さらに海外企業との業務提携をしやすいような支援を講じていくべきだ。