【10月23日付社説】後継技能者の不足/若手人材確保へ官民連携を

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 本県の復興を確実に進めるためには産業人材の育成と確保に全力を挙げる必要がある。

 県が「第10次県職業能力開発計画」(2016~20年度)を策定するために行った産業の人材育成に関するアンケートで、技能継承に関わる課題を複数回答で聞いたところ、57.7%の企業が「若手技能者の確保が困難」と答えた。

 震災と原発事故前の11年1月に行ったアンケートの24.6%に比べ2倍以上の増加で、主な業種では建設業が64.3%、製造業が54.5%という結果だった。

 県は、人材確保が難しい背景について、若者が事務系やサービス業の仕事に向きがちで、ものづくりの仕事に対して関心が低くなってきていることや、復興関連事業に伴う求人増による人手不足などを挙げている。

 県建設業協会によると、加盟約240社の従業員の平均年齢は40代後半で、年々高齢化が進んでいる。同協会の担当者は「求人を出しても応募が少ない。入社数年で離職するケースもある」とした上で、「10年後ぐらいには多くのベテランが退職する。一人前の技能者を育てるには、いまから取り組まないと手遅れになる」と危機感を募らせる。

 同協会は、会員制交流サイト(SNS)で職場見学会のPRをしたり、女性を対象にしたセミナーを開いたりして若者に関心を持ってもらえるよう工夫している。今年からは県や福島大、福島労働局などと連携して、若手技能者を育成するための仕組みづくりにも着手した。

 本県では、浜通りで廃炉やロボット産業などの集積を目指す福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想が進められている。県内企業が構想の果実を十分に享受するためには、技術力と競争力を、より一層高めることが重要だ。

 県は、総合的な職業能力開発を行うテクノアカデミーを郡山、喜多方、南相馬の3市に設置し、高校を卒業して就職する人や、転職を目指す人に対して高度な職業訓練を行っている。しかし定員割れしているのが現状だ。

 より多くの若者たちがものづくりに関心を持ってもらい、本県の産業の高度化を図るためにも、より魅力のあるカリキュラム編成などに取り組んでもらいたい。

 人材確保では、早期離職の抑制も大きな課題となる。高校や大学などでのキャリア教育を充実させて、生徒や学生の職業観を育み、企業との間に起こる意識のズレなどミスマッチを防ぎたい。