【10月28日付社説】人口減と高齢化/ひるむことなく克服の道を

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 人口減少と高齢化が進んだ。しかし、ひるんではいられない。地域を守り、活性化させる取り組みを本格化させなければならない。

 総務省が発表した2015年国勢調査の確定値によると、県人口は191万4039人で、前回の10年調査より5.7%減少した。

 一方で県人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は過去最高の28.7%になり、30%の大台が目前に迫る。さらに15歳未満の子どもの数は22万8887人で、県人口に占める割合は12.1%と全国39番目の低さとなった。

 人口減少と高齢化は全国共通の課題だ。しかし本県は、この5年間に人口が減少した割合(減少率)が秋田県に次いで全国で2番目に高い。「生産年齢人口」とされる15~64歳も、前回より1割近く減っており、地域経済の収縮傾向を助長させないか心配だ。厳しい現状を直視し、きめ細かな対策を講じていく必要がある。

 高齢化率は、全市町村の9割に当たる53市町村で上昇した。30%以上は35市町村で、前回よりも12市町村増えた。会津地方の高齢化率が総じて高く、金山、三島、昭和の3町村は50%を超えている。

 高齢化が進行しているのは町村部だけではない。県内に13ある市のうち喜多方、伊達、二本松、田村、南相馬の5市が30%を超えている。高齢化と人口減少はもはや「対岸の火事」ではないことを県民全てが再認識したい。

 人口減少と高齢化を克服するための妙案はないのか。人口減少率トップの秋田県は、15年度から起業目的の移住を促す「ドチャベン(土着ベンチャー)」事業を展開し、島根県立江津高校は、江津市に住む祖父母の元で県外の孫が同居する「孫ターン」の募集を今春の新入生から始めた。

 高知県は、12年から中山間地域の30カ所に、地元野菜を提供するレストランを併設した福祉や産業などの活動拠点を設けた。最終的に約130カ所の設置を目指す。全国の自治体が知恵を絞り、試行錯誤を繰り返している。

 本県でも例えば、地域資源を生かして収益を上げ、そのお金を交通手段の確保など地域の課題解消に充てるような好循環をつくる取り組みができないか。先進例にも目を配り、活性化の道を探りたい。

 16年版厚生労働白書は「人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える」がテーマで、意欲ある高齢者が働き続けられる「生涯現役社会」の実現を掲げる。地域の活力を保つためには、高齢者が社会の担い手の一員という意識を持つことができる社会づくりが肝要だ。