【10月29日付社説】政務活動費/ネットで全て公開すべきだ

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 地方議員に税金から支払われている政務活動費(政活費)の使い道について、有権者の不信感を拭うために、情報公開の透明度を上げる必要がある。

 宮城県議会の議会改革推進会議が政活費の収支報告について、2017年度分から、領収書を含めて全ての関係文書をインターネットで公開する方針を決めた。28日、中間報告の骨子を了承した。

 同県議会が現在、ネットで公開しているのは各会派の収支報告書だけだが、17年度分からは、会派と議員の実績報告書、領収書などを加え、関係文書全てを対象にする。前議長らの不適切な支出を踏まえ、使途の透明性を確保し、適正な支出を促すのが狙いだ。

 ネットで一部について公開している本県の県議会と市町村議会にも、政活費関係の文書全てをネットで公開することを求めたい。

 全国で相次いでいる政活費の不正支出では議員が領収書を改ざんするケースが目立つ。公開の方法が限定的であったり、手続きが煩雑だったりすることで監視の目が届きにくいことが背景にある。

 政活費の監視を続ける全国市民オンブズマン連絡会議は、地方議会の情報公開が不十分とする一方で、1枚10円程度がかかる開示請求コストを課題として指摘する。領収書など関係文書は数万枚に上る議会もあり、費用は多額になるからだ。

 全てがネットで公開されれば、開示費用がいらなくなり、誰もがいつでも閲覧できるようになる。政活費が政策立案の経費として正しく使われていることが確認できれば住民も納得する。情報公開を「監視」として捉えないで、議員としての仕事ぶりを住民に示す良い機会と捉えるべきだ。

 領収書をネット上で公開している都道府県議会は大阪、兵庫、高知の3府県とまだ少数だ。本県議会は各会派の収支報告書に限ってネットで公開しているが、領収書などはネットでは未公開だ。

 全ての文書は議会事務局で閲覧できるが、文書の写しを希望する場合は情報開示の請求手続きが必要になる。15年度の政活費関係文書の閲覧者が25人、開示請求者が10人にとどまっているのは、県民にとって、県議会の情報公開の仕組みが利用しやすいとは言えない証左ではないか。

 県議会の杉山純一議長は「政活費は適正に執行されている」としている。それを証明するためにも、領収書など全ての文書のネットによる公開の検討を進め、より県民に「開かれた議会」になるよう議会改革に努めなければならない。