【10月30日付社説】障害者スポーツ/20年へ裾野と理解広げよう

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 障害のある人たちが地域で気軽にスポーツを楽しむことができ、本格的な競技としても挑戦できる環境を整えたい。

 ことしはリオデジャネイロ・パラリンピックが開かれ、障害者スポーツへの理解と関心が高まった。県勢は柔道(視覚障害)女子48キロ級で半谷静香選手(いわき市出身)が5位入賞したほか、車いすバスケットボール男子に豊島英選手(同)、卓球男子に吉田信一選手(須賀川市出身)が出場し、県民に感動を届けてくれた。

 4年後の2020年には東京大会が巡ってくる。本県からより多くの選手が夢の舞台に出場できるよう、強化策を充実させたい。

 県は来年度から、有望な障害者アスリートを強化選手に指定し、競技に関わる経費を補助する考えだ。障害者選手に対してはこれまで、強化合宿参加の補助などの面で健常者の有望選手に比べて支援が少なかった。

 しかし障害のある人は、大会に出場する際に付き添いが必要だったり、車いすなど高性能化している用具の負担も大きい。県は今後、具体的な支援内容を決めるという。選手の声を聞きながら、競技に打ち込むことができるような支援に取り組んでもらいたい。

 22~24日には岩手県で、トップクラスの選手が集う全国障害者スポーツ大会が開かれ、県勢は42人が出場した。県勢は陸上競技とフライングディスク、卓球の3競技で8個の金メダルを獲得したが、全国的に見ると多くはないレベルだ。例えば開催県の岩手は55個、隣県の宮城は28個を獲得している。

 全国大会などで活躍できる選手を育てるために、障害者スポーツの裾野を広げていかなければならない。特に中高生ら若い選手の発掘と育成が課題となっている。

 学校での体育やクラブ活動の充実を図ったり、地域で運動の機会を提供している総合型地域スポーツクラブで障害者の受け入れをさらに増やしていくことが大切だ。

 指導者も不足している。日本障がい者スポーツ協会が認定する「障がい者スポーツ指導者」は現在、県内に約250人いるが、震災前に比べて2割ほど減少している。県やスポーツ関係団体は、資格取得を広く呼び掛け、指導体制の充実を図ってほしい。

 来年9月には福島市で、国内最高峰の障害者の陸上競技大会「ジャパンパラ陸上競技大会」が開かれる。県内では、東京パラリンピックの事前合宿を誘致する動きも出ている。観戦や応援を通し、県民一人一人が障害者スポーツに理解を深める契機にもしたい。