【11月5日付社説】ご当地エネ会議/「福島宣言」共有し具現化を

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 再生可能エネルギー推進に向けた世界的なネットワークづくりを目指す国際会議「第1回世界ご当地エネルギー会議」は、世界規模で導入拡大を図るための戦略「福島宣言」を採択し、閉幕した。

 原発事故を受け、再生エネの先駆けの地を目指す本県で、国際的な再生エネ拡大への戦略が示された意義は大きい。日本をはじめ各国が福島宣言を具体化し、世界で再生エネの導入がさらに進む出発点としたい。

 ご当地エネは、地域で使う電力の100%を、地元の事業者が風力や太陽光などの自然エネルギーで発電する「電力の地産地消」の取り組みだ。

 福島宣言は、地球温暖化対策を進める国際的な新しい枠組み「パリ協定」の発効などを踏まえて現在、世界のエネルギー政策の転換点にあることなどを共通認識とした。その上で、ご当地エネが再生エネを供給するための有効な手段となるよう各国で行動を起こしたり、各国政府や国際機関などに実現を働き掛けたりすることなど10項目を戦略として取りまとめた。

 参加機関は国際会議で醸成した機運をさらに高めるためにも、福島宣言で示した戦略を速やかに実行してもらいたい。

 国際会議は、地域主導による再生エネの普及を目指す全国ご当地エネ協会などが、再生エネの先進地ドイツやデンマークなどの取り組みを世界に拡大する契機として福島市で開いた。欧米など約30カ国の首長や専門家らが参加した。

 会議では、先進地のドイツ・カッセル市長から「ご当地エネの投資が雇用創出にも貢献している」と報告された。こうした効果を広く伝え、地域を巻き込んでいく必要性も示された。働く場の確保は、人口減少対策を進める自治体の地域の活性化にもつながる。県内市町村には、ご当地エネを導入しやすい体制づくりが求められる。

 県はご当地エネ導入について、地域エネルギー会社の設立を支援することなどを、再生エネ推進の行動計画に盛り込んでいる。しかし、民間主導の取り組みのため、支援は事業所から相談があった場合にとどまっているのが現状だ。

 県が掲げている、2040年をめどに電力の県内需要の100%を再生エネでまかなうという目標はハードルが高い。この目標を達成するためには、多様な発電事業者を支援していくことが必要だ。

 国際会議が本県で開かれたことで、ご当地エネを県内企業に広く周知できたはずだ。地域の参入企業を積極的に掘り起こし、ご当地エネを県全体に広げるべきだ。