【11月6日付社説】交流サイト被害/潜む危険から子ども守ろう

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 スマートフォン(スマホ)や携帯電話は便利な機器だが、使い方を誤れば犯罪やトラブルに遭う危険が潜む。子どもたちに適切な使用法をしっかり教えるとともに、家庭や学校、警察など社会が連携して被害を防ぎたい。

 インターネットの会員制交流サイト(SNS)をきっかけに、犯罪被害に巻き込まれる子どもたちが後を絶たない。今年1~6月に被害に遭った18歳未満の子どもは全国で889人で、昨年下半期を33人上回り過去最悪となった。

 県内では今年1~9月に19人が被害に遭った。被害者のうち10人が中学生だった。被害者はこれまで高校生が多かったが、低年齢化の傾向が見られる。

 女子中学生がSNSで知り合った男に誘われてホテルに入り、わいせつな行為をされた。別の女子中学生はSNSで知り合った男に裸の写真を送信させられた―。ことし県内で実際にあった事件だ。

 スマホや携帯を持つ子どもの間で、SNSのフェイスブックや短文投稿サイトのツイッター、無料通信アプリLINE(ライン)などの利用が広がっている。こうしたサイトが事件の発端となることがある。利用には注意が必要だ。

 まずは、家庭内でルールをつくることから始めたい。知らない人と電話やメールの交換をしない、ネット上に名前や住所など個人情報を書き込まない―など、注意すべき点を分かりやすく説明し、理解を促すことが重要だ。

 警察庁によると、被害に遭った子どものうち9割弱が有害サイトにアクセスできないようにする「フィルタリング」を利用していなかった。フィルタリングを設定しているかどうか確認したい。

 教育現場でも、子どもたちへの注意喚起を強めたい。相馬市の向陽中では生徒会が中心となり、「個人情報を書き込まない」「原則として夜9時以降は使わない」など、スマホ・携帯の使用法を5項目にまとめ、生徒たちが徹底を心掛けている。同校によると「生徒自身がルールを考えたことで、正しい使用への意識が高まった」という。こうした子どもの主体的な取り組みを広げていきたい。

 県警は、小中高校で出前授業を行い、スマホの安全な使用を指導している。一方で、SNSに援助交際を持ち掛ける書き込みなどをした子どもの補導も行う。被害の芽を未然につみ取ることが大切だ。

 ネットは仮想の世界と思いがちだが、現実の社会と直結している。ネットの先に潜む危険性を改めて認識し、子どもを守るための手だてを尽くしたい。