【11月9日付社説】公務員不祥事/危機感を共有できているか

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 県職員や教職員による不祥事が後を絶たない。不祥事が発覚するたびに責任者が謝罪し、再発防止を誓ってきた。それでも相次ぐのは不祥事を防ぐ取り組みが不十分だということだ。

 本年度の県職員と教員の逮捕者は6人で、昨年度1年間の2人を既に上回る。逮捕事実は、公然わいせつや盗撮など、あぜんとするような行為が並ぶ。規律が緩んでいると言わざるを得ない。県や県教委の姿勢が問われていることを銘記しなければならない。

 県教委はおととい、臨時の県立学校長会議を緊急招集し、鈴木淳一教育長が「危機感の共有」を呼び掛けた。県教委は今月中に、全ての公立学校の教頭を対象に法令順守をテーマにした研修会を開き再発防止の徹底を図るという。

 校長を対象にした研修会は行ってきたが、教頭を対象にするのは初めてだそうだ。教員を指導・監督する立場の教頭の指導力を向上させ、組織全体で不祥事防止に全力を挙げるという。

 県も今月下旬、法令順守関連の専門家を招いて管理職を対象にした研修会を開く。研修内容を「講演録」としてまとめ、各所属先で活用できるようにする。

 不祥事防止に向けた研修会やマニュアルの配布などは、対象者に違いはあるが、これまでも取り組んできた手法だ。これらの方法の繰り返しで、職員が危機感を共有し、再発防止を図ることができるのか。もっと知恵を絞るべきだ。

 内堀雅雄知事は今年7月、相次ぐ不祥事を受けて、全職員を対象に管理職による個別面談を行い、再発防止を図る方針を示した。その結果、知事部局の約6000人をはじめ、教職員約1万9000人、福島医大約3000人を対象に管理職による個別面談が行われた。

 面談では、職員の悩みなど相談に応じながら、不祥事が起きる背景や抑止策などについて話し合い、危機意識の共有と原因の究明につなげるとしていた。既に職員全員の面談が終わったが、その後も不祥事は起こり、歯止めがかかっていない。

 不祥事を起こすのは、ごく一部であり、個人の行動だという意見もある。しかし、職員一人一人が服務規律の確保や法令順守の徹底について、高い意識を持たなければ県民の信頼は得られない。

 組織全体で再発防止に取り組むことができているのか。まずは職場内でのコミュニケーションを活発にし、互いに相談できるような人間関係や連帯感をつくり上げ、不祥事の未然防止につなげることから再出発してもらいたい。