【11月16日付社説】中間貯蔵本体着工/本格稼働に向け総力挙げよ

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 環境省が、東京電力福島第1原発事故に伴い県内の除染作業で出た汚染土壌を保管する中間貯蔵施設の本体工事に着手した。中間貯蔵施設は本県の復興に不可欠だ。着工を整備加速の弾みにしたい。

 2014年9月に県が国に建設受け入れを伝えてから2年。ようやく本体工事がスタートした。来年の運用開始に向けて安全かつ着実に整備を進めるよう求めたい。

 中間貯蔵施設は、大熊町と双葉町にまたがる第1原発を囲むように、計約16平方キロ(福島空港約9個分)の敷地に建設する。最大で約2200万立方メートルの汚染土壌を保管する計画だ。

 第1弾となる今回の工事は、両町でそれぞれ0.07平方キロを予定している。汚染土壌を運び込んで重量や放射線量を測定したり、土と草などを分別したりする「受け入れ・分別施設」や、汚染土壌を長期間保管する「土壌貯蔵施設」を造る。分別施設は来年早期に試運転を始め、貯蔵施設は同年秋ごろの運用開始を目指す。

 原発事故の発生から5年8カ月余り。国が当初3年程度としてきた市町村の仮置き場の期間はとっくに過ぎている。中間貯蔵施設の予定地内には、汚染土壌の分別前に一時的に置いておく「保管場」が設けられ、昨年2月から既に一部の汚染土壌が運び込まれているが、搬入量は10月末現在で7万立方メートルにすぎない。

 このため、県内では仮置き場や住宅など15万カ所近くに、汚染土壌約1000万立方メートルが置かれたままになっている。本県の復興、とくに風評被害の解消に向けて汚染土壌を一日も早く、貯蔵施設に運び込む必要がある。

 しかし、環境省が10月末までに用地取得の契約ができたのは、予定地の地権者2360人のうち445人。予定面積の約1割に当たる約1.7平方キロにとどまっている。地権者の理解を得る努力を続け、用地の取得を前進させていかなければならない。

 工事に際して留意しなければならないことがある。県が先日開いた専門家会議では、汚染土壌の分別などに携わる作業員の内部被ばく防止や豪雨対策などの充実を求める意見が出た。作業員の安全確保と施設の維持管理には十分に対策を講じてほしい。

 長期的な視点も忘れてはならない。同会議では県外で最終処分するまでの約30年、土壌貯蔵施設の健全性を維持するための管理の在り方についても指摘があった。最先端技術を結集して、年を経るごとにむしろ安全性が高まるような管理を目指してもらいたい。