【11月20日付社説】サッカーで地域振興/元気な福島つくる後押しを

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 東京電力福島第1原発事故の後、廃炉に向けた対応拠点となっているJヴィレッジ(楢葉、広野町)。かつて作業員の車で埋め尽くされていたグラウンドはいま、ピッチの復旧へ向けた準備が進む。

 震災前まで年間約50万人が訪れていたJヴィレッジの再整備や、トップチームの活躍など、本県サッカー界の盛り上がりを地域活性化へとつなげていきたい。

 県は、Jヴィレッジが2019年に全面再開することを見据え、日本サッカー協会(JFA)や県サッカー協会、県内主要クラブなどとの連携体制を強化し、選手の裾野拡大や、大会の開催を通じた交流人口の拡大などを目指す。各団体から意見を聞いて本年度中にサッカーによる振興策をつくり、来年度から実施する見通しだ。

 県は振興策の素案で、競技を始めたばかりの子どもや、実戦機会が少ない女子選手向けの交流大会を開催し、競技人口の拡大に力を入れる考えを示している。幅広い層がサッカーに親しむ機会が増えることは、県全体の競技力の底上げにつながるはずだ。Jヴィレッジだけにとどまらず、県内各地での開催を望みたい。

 サッカーによる地域振興に向けては、県内トップチームが果たす役割も大きい。J3の福島ユナイテッドFC、Jリーグ入りを目指すいわきFCは、サッカー講座の充実を目指す考えという。

 一流の技に触れることは、子どもたちの大きな刺激になる。全国大会で活躍できる選手を育てるためにも、両チームには学校やスポーツ少年団にも選手を講師として派遣することを検討してほしい。

 Jヴィレッジが再開し、本県での大会が増えれば、審判員など運営を支える人材の確保も重要になる。審判員を増やすためには、養成研修会の開催回数を多くするなどの対応が欠かせない。

 JFAの育成機関「JFAアカデミー福島」は震災後から静岡県に移転しているが、本来の活動拠点だったJヴィレッジの再開にめどがついたため県内に戻る時期の検討を始めた。トップクラスの選手を育てるJFAアカデミーが再開すれば、県内のサッカー熱もさらに高まるだろう。JFAには早期に見通しを示してもらいたい。

 Jヴィレッジは、2020年東京五輪のサッカー男女日本代表の事前合宿地になることが決まっている。国内外から大きな注目が集まるだろう。施設などハード面だけではなく、多彩な大会の開催といったソフト面も十分にアピールすることで、本県を訪れるチームや選手を増やしていきたい。