【11月23日付社説】本県沖M7.4地震/震災の教訓は生かされたか 

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 大規模な地震はいつでも起こりうる。東日本大震災の教訓は生かされたのか。今回の地震での対応をもう一度総点検し、備えを万全にしなければならない。

 本県沖を震源とするマグニチュード(M)7.4の地震があり、浜通りと中通りの一部で震度5弱の強い揺れを観測した。県内沿岸部には1メートル程度の津波が到達し、余震が断続的に続いた。

 M7・0以上の地震は2014年7月以来で、県内に津波警報が出されたのは震災後初めて。大規模地震に警戒を怠らず、即応できる態勢を整えることが重要だ。

 地震発生直後、県内ではいわき、南相馬両市はじめ12市町村が災害対策本部を設置するなど各市町村が警戒体制を整えた。津波警報が出た沿岸部の自治体は住民に避難を呼び掛けたり、避難指示を出したりした。避難者は合わせて3100人余りに上る。

 津波の第一波が小名浜港に到達したのは地震発生から約30分後、相馬港は約1時間後だった。自治体の中には津波が到達した後に避難指示を出した自治体も一部にあった。住民への情報伝達や避難指示のタイミング、支援が必要な人の避難状況などへの対応を検証し、対策を改善、充実させたい。

 M7・4地震の発生は早朝だったが、多くの住民は高台などに自主的に避難した。震災の教訓が生かされたと言える。しかし倒れた家具にぶつかってけがをしたり、転倒し骨折した人がいた。家具の固定や避難手順の確認など、家庭における防災対策も徹底したい。

 今回の地震は県内原発にはらむリスクの存在を改めて浮き彫りにした。東京電力福島第2原発3号機で使用済み核燃料プールの冷却設備が一時停止した。地震の影響で冷却水をためるタンクの水面が揺れたことで水位低下の警報が鳴り、水を循環させるポンプが自動停止したことが原因だという。

 東電によると循環ポンプは予備もあるが、タンクは警報が鳴った一つだけで、予備を動かして冷却を続けることはできなかった。構造的に問題はなかったのか。原発のトラブルは住民を不安にし、本県への風評を広げかねない。東電に求められるのはトラブルを防ぐ事前の対策であり、安全最優先の対応であると肝に銘じるべきだ。

 災害時の県の拠点となる県危機管理センターは9月の開所後初の災害対応だった。今回はテレビ会議や情報連絡員派遣などで沿岸部市町と連携が図られたという。しかし、より大規模な災害への対応はまだ未知数だ。機能を十分に発揮できるよう努めてもらいたい。