【11月25日付社説】衆院選の区割り/単なる数合わせではこまる

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 「違憲状態」が続く衆院選の議員1人当たりの有権者数の差、いわゆる「1票の格差」是正は不可欠だが、単なる数合わせの選挙区見直しに終わらせてはならない。

 首相の諮問機関「衆院選挙区画定審議会」(区割り審)が、1票の格差の是正に向け、小選挙区定数を「6」削減したり、格差を2倍未満に抑えたりするための区割り案の策定を本格化させる。

 衆院小選挙区は、その地域の民意を的確に反映できることが大前提だ。選挙区内の実情を十分に把握した上で、有権者が納得できるような区割り案を策定すべきだ。

 定数の削減は「0増6減」で行われ青森、岩手両県など6県では区割りを大幅に変更することが確実になっている。さらに本県など14都道府県では、隣接する選挙区との境界の変更を検討し、1票の格差を2倍未満に抑える考えだ。

 選挙区の境界を変更する14都道府県は、2015年国勢調査と20年の予測人口を基準に、人口が最も少ない鳥取県の最少選挙区よりも人口が少ない選挙区があったり、1票の格差が2倍以上だったりした。14都道府県の161選挙区のうち「70~75程度」が境界見直しの対象になると想定される。

 衆院選の1票の格差を巡っては最高裁が09年選挙以降3回連続で「違憲状態」と判断し、格差の是正は喫緊の課題だ。しかし、1票の格差の是正を優先するあまり、人口減少が進む地方の意見が国政に反映されにくくなるようなことがあってはならない。

 本県では、福島4区が区割り変更の検討対象になっている。国勢調査による4区の人口は27万6703人で、鳥取の最少選挙区である2区の28万3502人を下回ったためだ。4区は予測人口でも鳥取の最少選挙区を下回った。

 会津全域を範囲とする福島4区は1区の福島市、2区の郡山、二本松両市と大玉村、3区の天栄、西郷両村と接しており、区割り変更ではこれらの一部を4区に組み入れることが検討されるとみられる。

 しかし会津と中通りは経済や生活圏域が異なる。また会津は中選挙区制時代、県南、県中の市町村(郡山市は一部)が同一の選挙区だったが、小選挙区制が導入されて約20年がすぎ、政治的なつながりは薄れてきている。地域としての一体性も考慮し検討すべきだ。

 本県では震災と原発事故の影響で大勢の県民が避難している状況にある。内堀雅雄知事は区割りに対する意見で、地域特性や震災の特殊事情について配慮を求めている。区割り審には震災の影響を踏まえた対応も求めたい。