【11月30日付社説】若者の早期離職/ミスマッチ解消へ総合力を

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 高校を卒業し、就職した若者が就職後1年目に離職することは、本人にとっても企業にとっても不利益となる場合が少なくない。行政、学校、企業が一体となって高卒者の早期離職を防ぎたい。

 昨年3月に卒業した県内の高卒者が就職後1年目で離職した割合は18.7%で、全国平均を0.6ポイント上回り、依然として高い傾向にあることが分かった。

 県内企業の求人は高水準が続き就職先の選択肢は広がっているが、高卒者は十分にその仕事の内容を理解して企業を選んでいるのか。学校は、生徒の希望を的確に把握して就職支援を進めるべきだ。

 福島労働局によると、県内企業に就職後1年目で離職した高卒者は、震災当初には全国に比べ10ポイント程度高かったが、その後、復興需要や企業の進出などによる求人増で減っている。昨年3月の離職率は前年に比べ2.3ポイント改善した。

 県や同労働局による県内企業への調査では、早期離職した高卒者の理由は「仕事が合わない」ことや「職場の人間関係」が多かった。特に「人間関係」を理由とする割合は新入社員に多く、2年目以降に離職した社員を上回る。

 仕事に対する高卒者の認識を高める必要がある。県や学校などは職場体験を行っているが、期間が短いため、生徒が仕事を理解する前に終えてしまう課題がある。

 船引高の場合は、田村市の企業と連携し、生徒が企業で働きながら、学校で学んだ技術を実践する授業を年間を通じて行っている。生徒からは「仕事の厳しさが分かった」などと声が上がる。こうした長期にわたる職業体験ができないか。他校でも検討したい。

 一方、悩みを抱える新入社員が相談できる環境づくりも重要だ。相談しやすい職場づくりは本来企業が行うべきだが、相談後に職場に居づらくなることを心配する新入社員もいるはずだ。県や福島労働局は専用窓口を設けるなど、相談しやすい体制をつくるべきだ。

 また、新入社員を外部研修に参加させたり、社内外の社員と交流の場が多かったりする企業ほど、新入社員の離職が少ない。外部研修は仕事を見つめ直し、他企業の職場を理解できる機会だ。企業には社員教育の充実を求めたい。

 高卒者の早期離職は、若者の県外流出につながる可能性もあり、本県産業の担い手確保に向けても課題となる。県人口は戦後初めて190万人を割り、人口減少対策は急務だ。県は県内企業に働き方の改善を促したり、経営強化を支援したりして魅力を高め、若年層の定着に努めなければならない。