【12月1日付社説】警察官の飲酒運転/県民の信頼どうつなぐのか

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 交通違反を取り締まる立場にある警察官が飲酒運転をするようなことは決してあってはならない。

 福島署交通1課長が出勤時に、乗用車を酒気帯び運転して街路樹などに衝突し、警察に届け出なかったとして、酒気帯び運転と当て逃げの疑いで逮捕された。

 交通1課長といえば、警察署における交通違反の取り締まりや交通安全運動の責任者だ。10日から始まる年末年始の交通事故防止県民総ぐるみ運動では先頭に立って、飲酒運転をしないよう呼び掛けるはずではなかったか。

 警察官の飲酒運転は、ことしは9月にも二本松署の巡査が酒気帯び運転の疑いで書類送検されており、今回で2件目の発覚だ。県警は、県民の信頼を損なう緊急事態であると認識し、再発防止を急いで講じなければならない。

 飲酒運転は重大事故につながる可能性が高い。だからこそ県警は、飲酒運転の根絶を年間重点事項の一つに掲げ、交通安全運動にも取り組んでいる。

 県警によると、ことし1~10月の飲酒運転による交通事故は66件で、死者は4人。酒を飲む機会が増える1月や、5、8月の事故が多かった。交通事故の犠牲者を減らすためには飲酒運転は撲滅しなければならない。警察官は範を示す立場でもあることを改めて肝に銘じてもらいたい。

 県警はこれまで、不祥事の防止に向けて、県内各署や県警本部各課での個人面談や、年代別の研修などを通じて警察官に法の順守を求めてきたという。

 特に研修では、座談会形式で不祥事の事例を考えさせるなど工夫を凝らしたというが、その内容で十分だったのかどうか。交通警察の幹部が飲酒運転をしたという事実を重く受け止め、研修内容を再検討する必要がある。

 県内では本年度、公務員の懲戒処分が多発傾向にある。これまでに県が7件、県教委が21件、福島医大が2件に上る。このため県や県教委、福島医大は全ての職員を面談するなど、再発防止の緊急対策に取り組んでいる。

 県警は相次ぐ公務員の不祥事を対岸の火事とみていなかったか。県警は他機関にまして、不祥事に対し敏感でなければならない立場であり、他山の石と捉え、先んじて対策を強めるべきだった。

 県警だけではない。県は先月29日、女性職員にセクハラ行為をしたとして、管理職の男性職員を処分した。公務員の不祥事は歯止めがかかっていない。機関の枠を超えて、不祥事防止の取り組みにさらに努めなければならない。