【12月2日付社説】双葉郡の教育構想/先頭に立ち未来開く人材を

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 双葉郡が東日本大震災と原発事故から復興を果たすためには、先頭に立ち古里の未来を切り開いていく人材を育てることが重要だ。

 県教委や同郡8町村の教委、日本サッカー協会(JFA)などは、ふたば未来学園(広野町)と郡内の11中学校を連携させた新しい教育構想を本年度中に策定する。

 新構想は、来年度からの5カ年計画で、従来の双葉地区教育構想の理念を受け継ぎ、国際社会で活躍できる人材と、世界規模の大会で活躍するトップアスリートの育成を進める。そのためには双葉郡の子どもたちの多様な可能性や才能を引き出し、伸ばしていくための教育の実践が不可欠となる。

 双葉地区教育構想は2006年に始まった。拠点校の富岡高や、JFAの育成機関「JFAアカデミー福島」が富岡、楢葉、広野3町の中学と連携して授業や部活動を行ってきた。その結果、富岡高はサッカー、バドミントン、ゴルフの各競技で強豪校に成長した。

 しかし、原発事故の影響で双葉郡の教育環境は大きく様変わりした。サテライト校で授業を行う富岡高など郡内の5高校は本年度末で休校する。JFAアカデミーは今も静岡県に移転している。一方、昨年開校した未来学園高は来年度で3学年全ての生徒がそろい、19年には未来学園中が開校する。

 新たな教育構想は、こうした震災後の状況変化を踏まえ、双葉郡の教育を再構築するのが狙いだ。

 学校連携の枠組みは、3町から同郡の8町村へと拡大する。未来学園高は双葉郡の実情を知り、復興の担い手になるための知識を学ぶ授業が行われている。同校が各中学校と連携することは、中学生が古里に理解を深めることにつながる。生徒が地元再生への思いを共有していけるよう、連携する授業や行事の充実を図りたい。

 トップアスリートの育成拠点も来年度から順次、郡内に集約させる考えだ。JFAアカデミーは、Jヴィレッジの19年の全面再開を踏まえ、同施設に戻るための協議を始めた。猪苗代町で活動する未来学園高バドミントン部は来年4月にも広野町の本校で活動を始める。生徒や保護者に理解を求め、地元での活動再開につなげたい。

 浜通りでは、廃炉やロボット産業などの集積を目指す福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想が進み、その担い手の育成が課題だ。復興に貢献したい、世界で活躍したいといった子どもたちの希望を実現させるため、関係機関が目的意識を一つにして、未来を見据えた教育を展開していかなければならない。