【12月3日付社説】鳥インフルエンザ/万全な備えと警戒が必要だ

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 国内各地で鳥インフルエンザの感染が拡大している。県内でも野鳥から陽性反応が出た。感染の広がりを注視し、万全の対策を怠らないようにしたい。

 新潟県の二つの養鶏場と青森県の食用アヒル農場で、死んだ鳥から、感染力が強い「H5型」の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された。

 国内では2010~11年と、14~15年に鳥インフルエンザが流行し、多くの鶏が殺処分された。国内の家禽(かきん)から検出されたのは昨年1月以来だ。関係機関が一層連携を密にし、ウイルスの封じ込めに全力を尽くさなければならない。

 高病原性の鳥インフルエンザをめぐってはこの冬、国内のあちこちで野鳥の感染確認が相次ぎ、国は警戒レベルを最高の「3」に引き上げ警戒を強めている。

 環境省によると、2日午後1時現在、野鳥で高病原性鳥インフルエンザが確認されたのは秋田、岩手、宮城、鳥取、鹿児島の5県で25羽に上り、14~15年の8羽を大幅に上回る。油断できない状況だ。

 そんな中、県内でも2日、福島市内で死んでいたオオハクチョウを簡易検査した結果、鳥インフルエンザの陽性反応が出た。県は高病原性かどうか確かめるため検体を北海道大学に送った。

 検査には約1週間かかり、陰性になることもある。しかし、まずは陽性確定を前提に対策を進め、確定した場合にはさらに濃密な対策を取ることができるよう十分な態勢を整えることが重要だ。

 鳥インフルエンザは、A型インフルエンザウイルスによる鳥の病気だ。高病原性に感染すると多くが死ぬ。県内では11年1月から2月にかけて、郡山市と福島市で、野鳥が高病原性鳥インフルエンザに感染した例がある。

 県は、新潟、青森両県での農場での発生や、福島市での野鳥の陽性反応を受け、先月29日と昨日の2回、緊急連絡会議を開いた。感染の拡大を防ぐためには初動対応が鍵を握る。今後も迅速な対応に徹してもらいたい。

 ウイルスは渡り鳥が媒介しているとされる。渡ってくる鳥の飛来を防ぐことができない以上、鶏舎などでは防鳥ネットを設置したり、施設に出入りする人や車両の消毒をしたりするなど防衛策の強化が求められる。

 また、飛来地は県内のいたる所にある。一般市民も渡り鳥との接触を避けたり、野鳥の排せつ物などには触れないよう気を付け、鳥に関する異変を見つけたら関係機関に通報する―など早期発見、早期対応に協力したい。