【12月18日付社説】小型家電の回収/「都市鉱山」もっと生かそう 

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 身近にある貴重な資源を有効に活用するための体制の充実と、リサイクル意識の向上を図りたい。

 携帯電話やパソコン、デジタルカメラなどの小型家電の部品には金、銀、銅やレアメタル(希少金属)が含まれており、使われなくなった製品は「都市鉱山」と呼ばれている。国内の使用済み小型家電は年間約65万トンに上り、全て回収されれば約28万トン、844億円相当の金属に再生できるという。

 この資源を活用するため、国は2013年に「小型家電リサイクル法」を制定し、自治体による回収とリサイクルを促している。しかし回収実績は伸び悩んでいる。15年度に回収・再資源化された小型家電は目標の14万トンに対し、6万6000トンにとどまったことが環境、経済産業両省の調査で分かった。

 天然資源の少ない日本にとってリサイクルによる資源の有効活用は欠かせない。制度に参加する自治体を増やすとともに、回収率もアップさせなければならない。

 制度への参加は自治体の判断に任されており、現在は全国の市区町村の7割が参加している。一方、県内では福島や郡山、白河市など中通り12市町村といわき市の計13市町村の参加にとどまる。

 原発事故で避難している自治体があるという事情もあるが、全国的にみると参加率が低いのが現状だ。県は、回収のための財源や人員が不足していることが参加の進まない背景にあるとみている。

 国が自治体任せにせず、効率的な回収やコスト削減の方法を探り、支援していくことが必要だ。県にも、各自治体の実情に配慮しながら、より多くの参加を促していくことが求められる。

 制度に参加している県内の市町村は、公共施設やスーパーなどに回収ボックスを設置したり、近所のごみ集積所に出してもらったりして小型家電を回収しているケースが多い。ただ、制度の認知度の低さもあって思うように集まっていない。各市町村には、制度を知ってもらうため広報活動を強化したり、回収場所を増やしたりするなどの工夫が求められる。

 例えば須賀川市は本年度から、リサイクル業者と連携し、宅配便を利用した回収事業を始めた。使用済みパソコンを回収物に含めると送料が無料になるため回収の負担が軽減されるという。こうした新たな取り組みも参考にしたい。

 東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会は先月、大会のメダルにリサイクル金属を活用する方針を決めた。日本の環境先進性を世界に発信するためにも、資源循環型の社会を目指したい。