【12月21日付社説】不登校対策/チーム力で子供を支えよう

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 学校と行政がそれぞれの専門性を生かし、不登校の子どもたちを多様に支える仕組みを整えたい。

 県教委は、不登校の児童生徒を関係機関が連携して支援するチームを学校ごとにつくるよう求める。不登校対策の手引書を見直す作業を進めており来年度からチームを発足させてもらう考えだ。

 関係機関との連携については、これまでの手引書でも必要性がうたわれていたが、明確に促していなかった。このため、学校側はこれまでの経験や前例に基づき対応する傾向にあり、不登校への対応は学校内に限られがちだった。

 見直し後の手引書では、学校の連携先として、家庭との調整役となるスクールソーシャルワーカーのほか、市町村の保健担当部局、児童委員、県の児童相談所などを想定している。

 不登校は、子どもの心の問題だけではなく、家庭環境や学校生活の問題など原因は複雑に絡んでいる。関係機関の連携は不可欠であり、設置するチームをフルに生かして、課題の解決を目指すことが重要だ。

 県内における不登校の児童生徒は震災と原発事故後、年々増えており対策は急務だ。文部科学省の2015年度問題行動調査によると、県内の公立小中学校で不登校の児童生徒は1827人で前年度から75人増えた。原発事故による避難や、中学進学時の環境変化に対応できない「中1ギャップ」などが要因とみられる。

 このうち中1ギャップに対しては中学校の入学当初からの対応が必要になる。しかし、今回の手引書見直しに伴い県教委が各学校にチーム設置を求めるのは、来年6月以降に各地で開く研修会の場になる見込みという。不登校になる子どもを一人でも少なくするために、県教委には作業スピードの加速、各学校には事前準備を進めるよう求めたい。

 不登校を防ぐためには、子どもが発するサインを見逃さないことが大切だ。担任教諭は、子どもが月曜日に休みがちになったり、体の変調を訴えたりといった兆しをいち早くつかみたい。その上で養護教諭、スクールカウンセラーと協力して原因を探り、不登校に陥る前からチームで支援したい。

 不登校の児童生徒を国や自治体が支援することを初めて明記した議員立法の教育機会確保法が先の臨時国会で成立した。当初より大幅に修正されたが、多様な学びの重要性を認めた。子どもたちがフリースクールなど学校以外で過ごせる場所を確保し、学ぶ権利の幅を広げるための一歩にしたい。