【12月22日付社説】第2原発意見書/早急に廃炉し復興に生かせ

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 東京電力は福島第2原発の廃炉を速やかに決断すべきだ。

 県議会が、第2原発1~4号機全ての廃炉を、国の責任で早期に実現するよう求める意見書を全会一致で可決した。
 県内原発の廃炉を巡っては、原発事故があった2011年、県議会と県が国と東電に対し、事故を免れた第2原発をはじめ県内原発の全基廃炉を求めている。

 このうち第1原発5、6号機については原子力災害対策措置法に基づく緊急事態宣言が第1原発で継続中であることから、国が東電に廃炉を求め実現した。

 しかし、第2原発は緊急事態宣言が解除されたため、国は法的な裏付けがないとして一歩引いた形になっており、廃炉の見通しが立っていない。国は、意見書の重みを受け止め、東電に第2原発の廃炉を促すべきだ。

 県議会は、県内原発の全基廃炉について、これまでに3回にわたり意見書を採択、国に実現を求めてきた。今回4度目の意見書を可決した背景には、第1、第2原発での相次ぐトラブルがある。

 先月に本県沖で発生した地震では第2原発3号機の使用済み核燃料プールの冷却が約1時間半にわたり停止する事態となった。トラブルは住民を不安にし風評被害を広げる可能性もはらむ。意見書は、トラブルが早期復興の足かせになっていると指摘し、廃炉に国の積極的な関与を改めて求めた形だ。

 国はかねて「原子力災害からの復興へ前面に立つ」としている。であるならば、復興に影響を及ぼす第2原発の廃炉にも責任を持つべきだ。

 東電は、第2原発の廃炉を先送りしている理由として、第1原発の事故収束に専念することを挙げており、第2原発を第1原発の後方支援施設として引き続き活用したい考えだ。

 しかし、第1原発で出た汚染水をためるタンクの組み立てや、放射性物質を含む海底の土壌拡散を防ぐための被覆材の製造などは、第2原発を廃炉にした後でも可能であり、廃炉の判断を妨げる理由にはならないはずだ。

 第2原発を廃炉にして施設を解体する際には、廃炉技術の蓄積が期待され、ノウハウは30~40年かかるとされる第1原発の廃炉にも生かすことができるはずだ。外国の原発の廃炉への技術提供なども考えられる。

 第1原発の廃炉費用を巡っては国民負担が課題となっている。廃炉技術の提供などで東電の新たな経営資源が生まれれば国民負担の軽減にもつながるだろう。