【1月3日付社説】新産業の創出/ものづくりを復興のバネに

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 本県の復興を加速させるために新産業の創出と、それを支える人材育成を急がなければならない。

 浜通りでは、ロボットや再生可能エネルギーなどの新産業の集積を図る福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想が進められている。県は、県内の製造業に新産業への事業進出を促し、震災と原発事故の影響が続く企業の再生につなげる考えだ。

 しかし地元企業からは、技術者不足で新分野に進出するための余力がないとの声があり、新しい産業の担い手を育てていく取り組みの充実が求められている。

 産業の技術革新を支えていくのは、斬新で柔軟な発想を持った人材だ。県は、次世代の人材育成を復興の柱としているが、特に新産業の人材育成に注力し、さまざまな施策を展開していくべきだ。

 県内では今年、県立高と福島高専で産業人材の育成に向けた新しい取り組みがそれぞれ始まる。

 県立高の取り組みは、小高工と小高商が統合して4月に開校する小高産業技術高だ。同校は、電子制御や情報通信技術(ICT)などを学ぶ産業革新科を設け、技術者を養成する。生徒は、3年間でロボット工学や放射線測定などの知識や技術の習得を目指す。

 福島高専ではイノベーション・コースト構想の実現をけん引していくような人材の輩出に向けて4月に工学系学科を改編し、ロボットや再生エネなどの技術者養成を進める。

 小高産業技術高と福島高専の取り組みは、産業による復興再生の一翼を担うものになる。他の学校や大学などでも、産業復興に向けて、子どもたちの発想力を引き出すような学びの環境を広げていくことが重要だ。特に県内の子どもたちが苦手とする理科や算数・数学の学力向上に取り組みたい。

 イノベーション・コースト構想を巡っては今年、中核施設の整備が本格化する。南相馬市と浪江町に建設される災害対応ロボットなどの実験拠点(テストフィールド)と、国内外の研究者がロボット技術の基盤研究などを行う国際産学官共同利用施設だ。県は2018年度の利用開始を目指し、夏ごろにも着工する見通しだ。

 ロボット産業は、世界各国が次世代の産業として開発、研究に取り組む成長分野だ。14年度の県内のロボット関連の製造品出荷額は45億円だが、県は20年度に100億円とする目標を掲げる。本県が新産業に関わる国内外の企業や研究機関、人材が集う受け皿になるためにも拠点施設の有効活用策を早急に構築すべきだ。