【1月20日付社説】まちづくり会社/民間視点生かし復興を前に

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 富岡町と、町内の民間団体による復興まちづくり会社「とみおかプラス」が発足した。町と連携して町民の帰還や地域の活性化を推し進める。

 復興まちづくり会社は、東日本大震災で被災した自治体や地元の団体、企業が出資などして設立する。復興や地域の活性化に向けて、土地の利活用の提案などを住民主体で行う組織だ。

 特に東京電力福島第1原発事故による県内の避難市町村では、避難指示の解除後に住民が帰還しやすい環境を整える役割も担う。

 復興庁の住民意向調査によれば、避難住民の帰還の意向は、時間の経過とともに低下傾向にある。帰還したくなるような地域再生や活性化策を自治体に提案し、民間の視点を復興再生に生かすことが重要だ。

 とみおかプラスは、今後、事業開始に向けて準備を進め、4月から町内に設ける事務所で活動を本格化させる。まずは町の再生に一緒に取り組んでもらう「応援団づくり」が重点になる。サポータークラブをつくって地域の再生策を検討する会議を開いたり、夜の森地区の桜のライトアップを復活させるなどイベントを企画したりしたい考えだ。

 富岡町は震災前、郡内の交流拠点の一つだった。政府は帰還困難区域を除き4月1日に同町の避難指示解除を提案している。震災前のにぎわいや活力を取り戻すために、より多くの人たちにサポーターになってもらい、町の再生を軌道に乗せていきたい。

 双葉郡では、一昨年に避難指示が解除された楢葉町が、2014年にまちづくり会社の「ならはみらい」を設立した。住宅リフォームの仲介や空き家バンクの運営などに取り組んでいる。今後はさらに帰還を重視した事業展開を進めていく方針だ。浪江、大熊、双葉町でも復興や帰還しやすい環境づくりに向けてまちづくり会社の設立を検討している。

 避難市町村の再生には地道な取り組みが必要であり、まちづくり会社の活動も長期にわたって継続できて初めて成果が表れることになる。そのためには会社運営について専門的な知識を持つ人材確保や財務基盤の確立が欠かせない。

 政府はきょう召集される通常国会への提出を調整している福島復興再生特別措置法改正案に、まちづくり会社への支援策を盛り込む。政府には、福島相双復興官民合同チームによる人材派遣や事業運営への支援など、まちづくり会社の自立運営を支えるための仕組みを確実に構築するよう求めたい。