【1月24日付社説】子ども食堂の連携/理解と支援の輪広げる核に

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 県内で「子ども食堂」を運営しているNPO法人や任意団体などがネットワーク組織をつくることになった。設立をきっかけに子ども食堂に対する理解と支援の輪が広がるよう期待したい。

 子ども食堂は、貧困などの事情を抱えた子どもたちに温かい食事やほっとできる居場所を提供するだけでなく、虐待など子どもたちの「SOS」に気付くセーフティーネット(安全網)の役割も担う。

 子ども食堂は、子どもの貧困対策を進めるために、県が開催した講演会やフォーラムで、子どもたちを地域での孤立から守るための居場所として重要性が指摘されるなど、県民の関心は急速に高まりをみせている。

 しかし、子ども食堂に対する県民の理解はまだ十分に深まっているとは言い難い。子ども食堂を全県に広げる活動とともに、理解促進に向けてもセンター的な機能を発揮するよう望みたい。

 県内では現在、約10カ所で子ども食堂が運営されているが、福島、郡山、いわき、会津若松、白河、喜多方の各市など都市部に集中しているのが実情だ。

 支援を必要としているより多くの子どもたちに、安心して過ごすことができる居場所を提供するためには、子どもたちのできるだけ身近なところに、子ども食堂を設けていくことが求められる。

 ネットワーク組織の設立は、子ども食堂の運営を計画する人たちに事業開始に必要なノウハウを教えたり、子ども食堂同士が情報共有することで事業の充実を図るなどメリットが見込まれる。

 呼び掛け人の一人で、会津若松市のNPO法人寺子屋方丈舎理事長の江川和弥さんによると、ネットワーク組織の設立に先駆けて、食堂の運営方法などに関する講座の開催を予定しているという。

 日本のような先進国では、子どもの貧困は周囲に分かりにくく表面化しにくい傾向にある。一人で悩み、ぎりぎりの状態まで追い込まれる子どもがいるという現実を考えれば、子ども食堂のような居場所の充実を本県でも急がなければならない。

 県内では子ども食堂を中心市街地の活性化に生かそうという自治体や、高齢者施設に設置して高齢者との交流の場にすることを模索する動きなどがある。

 ほまれ酒造のように子ども食堂支援を目的に寄付金付きの商品を販売するところも出てきた。運営団体や行政だけでなく、地域、企業、住民が協力し合い、子どもたちの健やかな成長を見守り、応援していくことが重要だ。