【1月28日付社説】火災死亡相次ぐ/暮らしの「防火」しっかりと

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 県内で火災による死者が相次いでいる。空気が乾燥し火災が発生しやすくなる時期だ。一人一人が防火への意識をより高め、大切な命と財産を守りたい。

 新年に入ってから26日までに県内で発生した火災で死亡したのは6人に上る。月末を待たずに昨年1月の4人を上回る事態となっている。6人のうち4人は65歳以上の高齢者だった。

 県によると、高齢者宅は建築年数が経過した木造住宅が多い傾向にあり、火の回りが早いため、逃げ遅れる可能性が高いという。昨年1年間の火災による犠牲者をみても42人のうち半数近い20人が高齢者だった。高齢者を火災から守る対策をいっそう強化していかなければならない。

 逃げ遅れを防ぐための有効な手段の一つとされるのが、煙や熱を感知して、音や光で火災の発生を知らせる住宅用火災警報器だ。

 火災警報器は、消防法の改正によって2006年6月に新築した住宅から義務化が始まり、11年6月までには全市町村で条例が整備され、既存の住宅全てで設置が義務付けられている。

 しかし、昨年の県内における警報器の設置率は74・2%と、全国で40番目にとどまっているのが現状だ。「うちは大丈夫」などと言わず、万が一の火災に備えて警報器を必ず設置したい。

 ただ、既に警報器を設置している家庭も注意しなければならないことがある。警報器を動かす電池の寿命は約10年とされる。義務化が始まったころに警報器を取り付けた家庭では電池または本体の交換時期を迎えている。正しく作動するかどうかを含め、この機会に点検しておきたい。

 総務省消防庁によると、住宅火災の出火原因として多いのは、ガスコンロやたばこの火の不始末だ。火を付けたコンロから離れる時には必ず火を消したり、寝たばこをやめたりするなど、日ごろの暮らしの中での防火を習慣づけることが大切だ。

 高齢化と核家族化が県内でも進んでおり、1人暮らしの高齢者が増えている。体が不自由で火事に気付いても素早く逃げ出せない人もいるだろう。隣近所が気を配り地域ぐるみで火災からお年寄りを守る体制をつくることも必要だ。

 火災は「少しの時間だけなら」という気の緩みが原因になることが多い。福島地方気象台によると、今年は強い冬型の気圧配置が続き、浜通りを中心に乾燥する日が増えている。「火の用心」の心構えをしっかりと持って、火災への備えを万全にしたい。