【1月29日付社説】農業女子/新しい視点と発想で挑戦を

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 本県の基幹産業である農業の再生と発展には、女性が挑戦したいと思える環境の整備が不可欠だ。

 近年、「農業女子」という言葉をよく聞くようになった。農家に嫁いだり、実家の農業を継いだり、農業法人に勤めたりして活躍している女性たちだ。

 中には、農産物加工や観光農園、農家民宿など経営の多角化に取り組んでいる女性もいる。女性ならではの気配りのある視点や柔軟な発想が、農業の新たな可能性を生み出している。

 県内の農業従事者の平均年齢は約67歳で、高齢化が進んでいる。農業を活性化させるためには若い力が必要だが、本県では就農する女性が増えている。県によると、2015年5月から1年間に新たに農業を始めた女性は61人。うち40人が40歳未満で、若い世代が3分の2を占めている。就農する女性は、震災までは年間10~20人台にとどまっていたが、震災後は伸びが大きい。

 県は、農作業の効率化が進んで女性が取り組みやすくなってきたことや、食への関心の高まりなどが背景にあるとみている。

 こうした女性農業者を支援しようと県は昨年、「ふくしま農業女子ネットワーク」を設立した。農業に携わる女性たちが互いに情報を交換したり、営農のノウハウを学んだりする場を提供するのが目的だ。インターネットを活用した情報発信も行い、県内外に本県の農業をPRする。

 メンバー自らが農業のやりがいや喜びを発信することは、女性に広く農業への関心を持ってもらうきっかけになるはずだ。ネットワークの輪を広げ、本県農業の女子力をアップさせるために、県は効果的な支援をしてほしい。

 ネットワークを活用し、新たな商機を見いだそうという取り組みも始まった。ネットワークを支援する企業などを募集し、第1弾として14企業・団体が認定された。農産物の販路開拓や加工品の開発、田舎暮らしツアーの実施などで連携する計画だ。農業に携わる女性の知恵や感性を事業に生かし、本県独自の新たなビジネスモデルを創出したい。

 政府も、女性の就農拡大を目指す。農林水産省は13年から「農業女子プロジェクト」を展開し、女性向けの農機具や作業服の開発を企業と共に進めている。

 自治体やJAなど関係機関が連携し、農業経営や技術に関するサポートを充実させていくことも大切だ。女性の活躍を後押しして農村に活気をもたらし、本県農業の再生に弾みをつけたい。