【1月31日付社説】メタボ率悪化/暮らし見直し健康アップを

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 さまざまな病気の原因となるメタボリック症候群からの脱出を急がなければならない。    厚生労働省のまとめによると、2014年度に特定健康診査(メタボ健診)を受けた県民のうち、メタボリック症候群と診断されたのは17.1%で、前年度に比べ0.6ポイント上昇、全国順位はワースト3位から2位に悪化した。

 県民のメタボ率は10年度以降、上昇を続けており、東日本大震災と原発事故後は加速する形となっている。この状況を重く受け止め、改善に向けた取り組みにいっそう注力する必要がある。

 メタボ症候群は、代謝症候群、内臓脂肪症候群ともいわれている。内臓肥満に高血圧や高血糖、脂質代謝異常が組み合わさると、心筋梗塞や脳卒中など動脈硬化性疾患を招きやすくなる。

 メタボ健診は08年から40~74歳を対象に始まった。健診ではウエスト回りを測り、男性は85センチ、女性は90センチを超える人をふるい分ける。その上で高血圧、高血糖、脂質代謝異常のうち二つが当てはまるとメタボと診断される。

 メタボ症候群が危険なのは自覚症状がほとんどないことだ。動脈硬化が進行して、気が付いたときには手遅れという状況になりかねない。早期発見につなげるために健診を受けることが重要だが、受診率は50%弱にとどまっている。受診率の向上も喫緊の課題だ。

 本県のメタボ率は震災以降加速しているが、震災前も芳しくはなく、ワースト10~15位を上下していた。本県の状況について福島医大の大平哲也教授は「甘じょっぱい食べ物が好きで車社会。そこに震災の影響が重なり悪化に拍車が掛かった」と話す。メタボ症候群から脱出するためには運動不足の解消と食生活の改善が欠かせない。

 県は、本年度から20年度までの5年間、「健康」をテーマに県民運動を繰り広げている。県民が一丸となって健康づくりの活動を進めようというのがその趣旨だ。

 関連事業として、健康づくりに取り組むと特典を受けることができる「健民アプリ」や、食生活改善に向けた「減塩&野菜を食べよう大作戦」などを展開しているが浸透度合いは十分とは言えない。県民運動のうねりをつくり出す努力が県や関係団体に求められる。

 県民の健康指標が全国で下位なのはメタボ症候群だけではない。平均寿命も全国平均を下回っており、男性44位、女性38位と低位にある。県民一人一人が日々の暮らしの中で生活習慣の改善や健康づくりに取り組み、健康長寿の福島県を実現したい。