【2月1日付社説】溶けた核燃料か/難関突破への大きな一歩に

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 東京電力福島第1原発事故からまもなく丸6年を迎えようとしている中、ようやく見えた手掛かりを最難関突破のために確実に生かしていきたい。

 東電は、第1原発2号機の原子炉格納容器内をカメラで撮影し、原子炉真下の作業用足場に黒っぽい堆積物があるのを確認した。原発事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の可能性がある。

 格納容器内を撮影できたのは初めて。今回の撮影を大きな一歩として実態把握に努め、廃炉作業の加速につなげることが肝心だ。

 撮影は、カメラ付きのパイプを格納容器の壁の貫通部分から挿し込んで行った。画像に写った堆積物は、足場の広い範囲にこびりついている様子が確認された。その一部は厚さ数センチの塊になっていたり、足場の格子部分を埋めていたりしていた。

 画像を見ると、格納容器内は本来の姿から大きく変わっており、炉心溶融(メルトダウン)を起こした事故のすさまじさを物語るとともに、デブリの取り出しがいかに難しいかを突き付けた形だ。

 東電は、今月中旬までに自走式ロボットを炉心直下に投入して、放射線量や温度を測定し、堆積物の詳細を調べる方針だ。デブリは強い放射線を発しており、堆積物の線量を測ればデブリかどうかが判断できるという。調査データの分析を急いでほしい。

 東電と政府は、最難関であるデブリ取り出しについて、2021年に1~3号機のいずれかで始める計画だ。強い放射線を遮るために格納容器を水で満たし上部から取り出す「冠水工法」、水を張らずに上部や側面から取り出す「気中工法」などを検討している。

 その手法については今年夏ごろをめどに絞り込むことになっている。東電と政府には、今回撮影された画像の分析やさらなる内部調査などとともに、持ち得る技術や知見を駆使して最善の方法を決定してもらいたい。

 ただ、廃炉作業全体を見渡せば東電と政府の工程表通りに進んでいないのが現状だ。デブリ取り出しより前に行われる使用済み核燃料プールからの燃料取り出しは3号機が1年遅れの18年度半ばに先送りされた。1、2号機は20年度で変更はないが、原子炉建屋の解体の難航などが予想される。

 福島第1原発の廃炉は30~40年かかるとされるが、既に6年の月日が過ぎようとしている。政府と東電は、本県の復興は廃炉が終わらなければ成し得ないことをあらためて銘記し、廃炉を着実に前に進めるよう求めたい。