【2月4日付社説】県の新年度予算案/攻めの姿勢で復興と創生を

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 東日本大震災と原発事故から7年目となる本県の復興を加速し、地方創生の土台をつくることができるかどうかが問われよう。

 県が2017(平成29)年度の一般会計当初予算案を発表した。総額1兆7183億円で、予算規模は2年連続で前年度を下回ったが、震災前の約2倍に当たる高水準の規模を維持した。

 本県の推計人口は昨年11月、戦後初めて190万人を割った。地方創生に向けて人口減少対策は本県にとって復興と並ぶ最重要課題だ。実効性のある事業をより多く打ち出すことが重要だ。

 当初予算案で県は、人口減少・高齢化対策に16年度の5.5倍に当たる421億円を充て、事業数も同じく3倍強に当たる177件に増やした。人口減少に向き合っていく県の強い決意の表れと受け止めたい。

 その一方策である若者の県内定着と、県外に住む20~30代の県内移住の促進を図るために、首都圏にある窓口の体制強化や、子育て世代の移住経費の補助増額などに取り組んでいく。

 県内への定住・二地域居住を進めるためには地方暮らしを志向する中高年層へのアプローチが欠かせない。医療など普段の暮らしの基盤を整える施策も充実を図っていかなければならない。

 7年目となる復興施策は、避難地域の再生と避難者の生活再建が柱となっている。

 今春には帰還困難区域を除き避難指示の解除が進む見通しだ。帰還困難区域につくる特定復興再生拠点の整備も17年度に動きだす。避難を続けてきた人たちにとっては古里への帰還か、避難先への定住かについて判断が迫られる。

 原発事故に伴う復興は、国と被災自治体が主体だが、県も連携を密にして事業をそろえ、地域再生と生活再建の道筋が見えるようしっかり応援しなければならない。

 復興と地方創生の実現に向けて欠かせないのは、根強く残る原発事故の風評を拭い去ることだ。

 予算案では、風評対策関連予算を前年度に比べて50億円増の128億円とした。県産農産物の競争力を高めるための品質認証取得の支援や、日本酒など県産品の情報発信など新規事業がずらりと並ぶ力の入れようだ。

 内堀雅雄知事は予算案について「新しい福島を創出するための一歩を踏み出す攻めの予算だ」と語った。積極的な攻めの姿勢を歓迎するが、県財政の見通しは楽観できない。大胆にして細心な各種事業の立案と無駄をなくして効率的な予算執行の徹底を求めたい。