【2月11日付社説】2号機で650シーベルト/英知結集し難関乗り越えよ

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 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から5年11カ月。突き付けられた難関を突破するために英知を結集しなければならない。

 東電は、第1原発2号機の原子炉格納容器内で9日に撮影した画像を解析した結果、推定される放射線量が毎時650シーベルトだったと発表した。原発事故後に観測された最大の数字で、数十秒浴びれば人が死亡するレベルだ。

 2号機の格納容器内では、1月末の調査で毎時530シーベルトの線量があると推定されていた。測定結果は画像の解析によるもので、測定ミスの可能性もあった。しかし今回も、1月調査時と近い場所で高い線量が推計された。格納容器内に線量の高い場所があるのは、ほぼ間違いないとみられる。

 やっかいなのは、高線量が推計された場所は、格納容器の中心部より外側にあることだ。2号機は溶けた核燃料(デブリ)の大部分が圧力容器内にとどまっているとみられていたが、デブリが格納容器内の広範囲に飛び散っている可能性を示している。

 第1原発の廃炉を終えるにはデブリ取り出しは不可欠であり、取り出し方法の決定は今夏に迫る。東電と政府は取り出し方法を決定するためにも、2号機内部がどのような状態になっているのか全容解明を急がなければならない。

 東電は今月中に、線量計や温度計を搭載したサソリ型のロボットを使って2号機内部を調査する方針だが、高線量が推計されたことで調査できるかどうか見通しは不透明になった。

 ロボットは搭載されたカメラの映像を頼りに遠隔操作するが、今回の調査では、9時間で行う予定が約2時間で打ち切らざるを得なかった。累積で千シーベルトの線量に耐えられる設計のカメラが故障したことが原因だ。カメラの耐久性向上など調査機器類の高線量対策をいっそう進めなければならない。

 またロボットの走行ルートである格納容器内の足場には、堆積物がこびりついた場所や、穴が開いている所も判明している。東電は撮影した画像の解析を進め、調査が可能な方法やルートをできるだけ早く決める必要がある。 米スリーマイル島原発事故ではデブリは圧力容器内にとどまっていた。圧力容器を突き抜けて格納容器内に落ちたデブリの回収は世界でも例がなく、極めて困難な作業になるのは予想されていた。しかし本県の復興は、第1原発の廃炉なくして成し得ない。東電と政府は、国内外の最新技術と研究成果を駆使して廃炉を前進させなければならない。