【2月12日付社説】会津の森林資源/「宝の山」生かし成長産業に

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 ほんのわずかしか活用されていない会津の豊かな森林資源を生かし、林業を地域の成長産業にしていきたい。

 木材の伐採や運搬、加工、供給を一貫して行う林業の新しいビジネスモデルを作り、会津地方に地域循環型経済を生み出そうという取り組みが注目を集めている。

 その主役が会津若松、喜多方両市、耶麻、河沼、大沼各郡計13市町村の商工団体や企業などでつくる会津「The13」事業協議会だ。

 The13は、間伐材や製材の端材などを砕いて作る木質バイオマス燃料と、国内で導入が進む新建材のCLT(直交集成板)の材料となる木板「ラミナ」の製造、供給を一貫体制の核に据える。0.1%にとどまる13市町村の森林資源の活用を高めていく。

 13市町村の行政側も連携する方針で、投資額の試算などを踏まえた基本計画を作る。市町村は歩調を合わせ、初期投資の支援など構想具体化へ環境を整えてほしい。

 構想の特徴の一つはIoT(モノのインターネット)の活用だ。会津大の情報通信技術(ICT)を駆使して生産や供給を管理し、コスト削減や品質確保を進める。

 現在の住宅建築などには工期が短く、乾燥させた製材が求められている。外国産材は国産材に比べ、品質が安定した製材を短期間で納品できることに勝る。このため国産材は、製材の供給や品質管理の面で競争力を高める必要がある。

 いまは、IoTや人工知能を活用した第4次産業革命の時代といわれる。ICTによる生産管理は均一な製材生産が可能で、国産材の課題を解決する手段になるはずだ。林業の産業構造を変革するモデルを構築してもらいたい。

 構想が具体化されれば、高齢化や後継者不足で減った林業の担い手の育成につながる。事業開始に向けて運営会社が設立されることで新たな雇用も生まれるだろう。

 一方、バイオマス燃料は、地域の企業などにバイオマスボイラーを設置してもらい供給する考えだ。ラミナの供給先は、県が浜通りで計画するCLT製造工場を見込んでいるが、計画は検討段階だ。構想の具体化には地域企業などの理解が必要で、官民が一体となり供給先を確保することが大切だ。

 会津は過疎・高齢化が進む。The13が先日、会津若松市で開いたシンポジウムでは、高齢者が社会に参加し、一生を通じて人が成長を続けられる「プラチナ社会」の実現が必要だと提唱された。会津の人々が地元で輝く人生を送るためにも、林業を「プラチナ産業」に育てることが欠かせない。