【2月16日付社説】サイバー犯罪/便利さに隠れた危険知ろう

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 インターネット上の「サイバー犯罪」が悪質、巧妙化している。自分には関係ないなどと思わずに防衛策を講じていきたい。

 県警によると、昨年1年間のサイバー犯罪に関する相談件数は、前年より171件多い3607件で過去最多となった。県警は、パソコンやスマートフォンが普及し、多くの人が気軽にネットを使えるようになったことが背景にあるとしている。

 ネットの便利さの一方で、犯罪に巻き込まれる危険性があることは見過ごすことができない。ネットが身近な現代社会では、誰もが被害に遭う可能性があることを自覚する必要がある。

 ネットショッピングのサイトで買い物をして代金を振り込んだが商品が来ない。そのため相手にメ
ールしたが返信がなく、いつの間にかサイトもなくなっていた―。

 県警に寄せられたサイバー犯罪に関する相談は、このような「詐欺・悪質商法」が約8割を占める。「大金を振り込みます」などと書かれたメールが大量に送られてきたといった「迷惑メール」や、ネットの掲示板サイトに実名で悪口を書かれたり、写真を掲載されたりしたといった「名誉毀損(きそん)・誹謗(ひぼう)中傷」の相談も、それぞれ200件以上あった。

 携帯の通信アプリLINE(ライン)を使用した詐欺も出てきた。認証番号を聞き出してラインを乗っ取った犯人が、被害者の知人に電子マネーを買うようメッセージを送り、だまし取る手口で、昨年秋から急増している。

 サイバー犯罪に遭わないためには、まずは個人ができる限りの対策を取って備えることが大切だ。個人情報をむやみにネットに書き込んだり、怪しいメールやファイルは開かないよう心掛けたい。

 子どもたちの間では、出会い系サイトを通じて知り合った人物からわいせつな画像を送るよう要求されたり、事件に巻き込まれたりするケースが増えている。家庭や学校でネットのリスクについて教育を徹底することが求められる。

 高齢者は、サイトの閲覧料などを請求するメールが来る「架空請求詐欺」の被害が増えている。被害を食い止めるためには、町内会でネット利用についての講習会を開くなど、地域でも被害防止に取り組むことが大切だ。

 県内には会津大やIT企業などインターネットやコンピューター機器について豊富な研究成果や技術を持つ機関が多い。日々複雑化し、身近に迫るサイバー犯罪の抑止に向けて県警はこうした機関との連携を密にしてもらいたい。