【2月18日付社説】認知症サポーター/支え見守る応援団増やそう

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 認知症の人とその家族が安心して暮らしていけるよう、地域で支え合う社会をつくりたい。

 高齢社会を迎え、認知症は誰にとっても身近な病になっている。認知症の人は全国で約462万人、県内は8万人超と推計される。団塊の世代が75歳以上となる2025年には高齢者の約5人に1人が認知症になるとみられている。

 本人や家族の負担を軽くするための対策が急務となっており、その支援者として期待されているのが「認知症サポーター」だ。

 認知症サポーターは、認知症について正しく理解し、当事者と家族を手助けする。厚生労働省が05年から養成事業を始めた。初年度は約3万人だったが、昨年末には約800万人にまで増えた。

 県内のサポーターは昨年末現在で13万3923人。県の人口に占める割合は約6・8%で全国平均をわずかに上回るが、全国トップの熊本県(約15%)などと比べると差がある。サポーターの輪を広げていくことが重要だ。

 サポーターは、地域や職場、学校などさまざまなところで開催される1時間半程度の「養成講座」を受ければなれる。講座では認知症に関する基礎知識や、相手の気持ちに配慮した接し方などを学ぶ。

 講座の多くは市町村が主催しているが、県内では、今年から日赤県支部も一般向けの講座を始めた。震災と原発事故に伴う避難などで核家族が増えていることを背景にしての取り組みで、全国の日赤では初めてとなる。自治体の枠を超えた取り組みを推進し、セーフティーネットをよりきめ細かなものにしていきたい。

 厚労省は本年度、認知症の人の増加に備え、サポーターのスキルアップに本格的に取り組んでいる。より専門的な知識を持った「上級者」を講座で育成し、地域で活躍してもらう。

 介護施設は慢性的な人手不足が続いていて、地域で認知症の人を支え合う必要がある。サポーターのうち意欲がある人に上級講座を受けてもらうことで、見守りや認知症の人の話を聞く「傾聴」などの活動にあたる人を増やしたい考えだ。しかし、県内での上級講座開催は広がっていない。各市町村には積極的な取り組みを求めたい。

 県内ではサポーターが中心となり、認知症の人が徘徊(はいかい)したことを想定して、発見と通報の模擬訓練を行っている地域もある。

 佐賀県や千葉県船橋市など、全職員がサポーターになった自治体もある。身近なところにサポーターがいて、認知症の人や家族を見守る環境を整えたい。