【2月25日付社説】高校入試改革/「受験生第一」制度に磨きを

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 高校入試は、中学生が将来の夢をかなえるために踏む重要なステップだ。受験生を第一に考えた最善の制度にしなければならない。

 県教委は県立高校入試改革で、現行の1期選抜(自己推薦)と2期選抜(学力試験)を統合して、全ての受験生に共通の学力試験を課す「前期選抜」に変更する方針を示した。同選抜は、1期選抜を継承した「特色選抜」と、学力試験の結果を重視する「一般選抜」の二つの方法で行われる。

 これまでの3期選抜は「後期選抜」とし、前期で定員に満たない高校で実施される。

 現行の入試では、1期選抜に学力試験を設けず、面接や実技など学校ごとの項目を設けて生徒が持つ能力を評価し、合格者を決める。

 しかし、(1)1期選抜の合格内定者が3学期の早い段階で受験勉強を終えることによる学力低下(2)2期選抜を控える生徒との間で学習意欲に差が出ている―ことなど課題があり見直した。全ての受験生に対する学力試験の導入は、入学後の学習能力を平準化する狙いもある。今後、正式決定を受けて細部を練り上げることが重要だ。

 入試制度はこれまで、時代によって変わる教育課題に対応するために見直しを行ってきた。

 受験機会が2回となったのは全国的な偏差値偏重問題を踏まえ、1979年度入試で推薦入試が職業系高校に導入されて以来。現行制度は2003年度入試に生徒の多様な能力を学力試験以外の方法でも見極めようとスタートした。

 本県の中学生は、全国学力テストの正答率が国語と数学の全科目で全国平均を下回る傾向が続いている。県教委によると、受験生全員への学力試験は生徒に競争を意識させ、学習意欲を高めるためだ。

 全受験生に学力試験を課す全国の自治体は増えており、県教委が今回示した入試制度は、茨城県が導入しているものに近い。同県では3月に受験を一本化したことで、生徒たちは卒業するまで学習意欲が継続できているという。

 他県の例を積極的に参考にしながら、良い仕組みは取り入れ、改革が本県の現在の教育課題である学力向上に確実につながるようにしなければならない。

 新しい入試制度は、早ければ現在の小学6年生が高校受験に臨むことになる20年度入試(20年3月)にも導入される予定だ。

 新制度に向け、中学校では生徒の夢や希望を育み目的意識を養う学習支援を充実させたい。家庭でも、子どもたちが将来の方向性を見いだす端緒をつかむことができるような教育を心掛けたい。