【3月12日付社説】震災6年 再生可能エネ/「地産地消」へさらに弾みを

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 本県が再生可能エネルギーの先駆けの地になるために、地域の特性を生かして発電する地域エネルギー会社の育成に力を注ぎたい。

 31日に帰還困難区域を除いて避難指示が解除される飯舘村に、太陽光発電に取り組む地域電力会社がある。村民らが出資して設立した「飯舘電力」だ。

 1号機は2年前に発電を開始した。1基当たりの年間発電量は一般家庭15世帯分だが、既に13基が稼働した。ユニークなのは太陽光パネルの下の空きスペースで牧草を育てていることだ。ゆくゆくは牧草を使った村特産「飯舘牛」の復活にも寄与したい考えだ。

 県内では、喜多方市や南相馬市など各地で、太陽光や風力、バイオマスなどの再生エネで発電する「電力の地産地消」の取り組みが民間主導で進んでいる。

 この結果、2015年度の県内の再生エネの導入量は前年度に比べ4割近く増え、電力需要に占める割合が3割弱にまで伸びた。しかし、40年をめどに県内の電力需要の全てを再生エネで賄うという県の目標達成に向けては、再生エネの導入にいっそう弾みをつける必要がある。

 県は、再生エネの導入拡大を目指し、今春から推進体制を強化する。県の産学官連携を進めた「超学際的研究機構」の中にあった再生可能エネルギー推進センターを法人化し、企業や個人による再生エネの導入を促す考えだ。

 推進センターは、県の第3セクターの発電事業会社「福島発電」と連携し、他の発電事業者に対して、発電機器メーカーを紹介するなど相談支援を行う。連携態勢を軌道に乗せ再生エネへの参入企業を掘り起こすことが求められる。

 県内では、再生エネで発電した電気を消費地まで届けるための送電網の構築が課題になっている。このため県は今月、東京電力などと出資して送電会社を設立し、大消費地の首都圏への送電線を、阿武隈山地や浜通り沿岸部で増強する。できる限り早く課題を解消して環境を整え、発電事業者がフルに事業が展開できるよう後押ししなければならない。

 再生エネの活用では、最大1万キロワット級の水素を製造する工場建設に向けた作業が17年度に本格化する。東芝と東北電力、液化石油ガス(LPG)大手の岩谷産業は今夏以降に場所や規模などを具体化させる計画だ。

 政府は「福島新エネ社会構想」に「県産水素」の20年東京五輪・パラリンピックでの活用を盛り込んでいる。構想を着実に実現させ本県の復興を世界に発信したい。