【3月14日付社説】動物愛護拠点開所/全ての命救うための契機に

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 ペットは、家族の一員として、癒やしや元気を与えてくれる。その命が無責任な飼い方で奪われるようなことがあってはならない。

 県動物愛護センターは4月1日、三春町に開所する。放し飼いや飼育できなくなった犬猫を保護するほか、動物愛護と適正な飼育の普及啓発を図る。

 県内では、2015年度に犬約280頭、猫約2500匹が殺処分された。前年度に比べ犬は40%、猫は5%弱減少したがまだまだ多い。県はセンターの開所を契機に「殺処分ゼロ」を目指すべきだ。

 センターは、犬や猫を収容する犬舎78室、猫舎40室を設ける。診療室やシャンプー・トリミング室を備える。さらに犬の運動場となるドッグランもある。災害時は動物救護施設としても活用する。

 保護した犬と猫の飼い主を決める譲渡会を定期的に開いたり、飼い犬のしつけ方教室やドッグランを使った触れ合い事業を行ったりする計画だ。県はこれらの取り組みで、犬や猫の引き取り数や殺処分数の減少につなげたい考えだ。

 動物愛護の推進は現在、県内の各保健所が担っている。センターにはこのうち県北、県中、県南3地区の業務を集約する。ただセンターは動物愛護の拠点であり、その機能を発揮するためには多くの人が利用しやすい環境が必要だ。エリア外となる会津や浜通りの住民にも、譲渡会などへの参加を呼び掛けることが求められる。

 全国の自治体では、ペットの殺処分ゼロを目標に掲げる動きが広がっている。茨城県は昨年暮れ、犬猫の殺処分ゼロを目指す条例を制定した。飼い主や販売者の責務を明確にすることで、県民に動物愛護の取り組みを促す。

 本県は動物愛護管理推進計画で、23年度に犬が「600頭以下」、猫が「千匹以下」との削減目標を定めているだけだ。犬の目標は既に達成している。まずは目標を見直し、処分ゼロへの道筋をつけることが重要だ。

 推進体制も強化したい。殺処分ゼロを13年度から続ける神奈川県は、県内外のボランティアとの連携が達成の核になった。本県のボランティアは約300人いるが組織化されていない。センターが中心になりボランティアや団体を育成、協力体制を整える必要がある。

 飼い主には引っ越しやペットの出産などを理由に保健所に引き取りを求める人もいるという。動物愛護管理法は、飼い主にはペットが命を終えるまで適切に飼育する責任があると明記している。一人一人が責任を果たし、人とペットが共に生きる社会をつくりたい。