【3月16日付社説】JFA復興支援策/子どもの力を引き出す糧に

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 日本サッカー協会(JFA)とJリーグは、本県の復興を支援する「DREAM福島アクションプラン(行動計画)」をまとめた。新年度からサッカーをはじめとするスポーツや食育などさまざまな分野で、県内の子どもたちの能力を引き出すための取り組みを展開する。

 東日本大震災と原発事故からの復興を目指す本県の取り組みは長期に及ぶ。本県の将来を築いていく子どもたちの健やかな成長を促し、夢を育むために行動計画が確実に進められるよう求めたい。

 計画によると、JFAは県内の小中高校やクラブチームに、JリーグのOBやコーチらを指導者として派遣する。チーム全体の指導か、指導の補助かなどについては、派遣先の要望に応じて対応する。派遣は双葉郡などの被災地からスタートし、いずれ全県に広げたい考えだという。対象分野も今後、サッカー以外のスポーツや音楽などに拡大する。

 JFAは、県が2019年春の全面再開に向けて整備を進めているJヴィレッジ(楢葉・広野町)の中に、新年度の早い時期に事務所を設ける。職員2人程度を常駐させて、本県支援の拠点とする。

 県は、Jヴィレッジの再開を契機に、改めてサッカーによる地域振興を目指している。競技人口の拡大や女子選手の育成などが振興策の柱だ。JFAの計画は、県の目的と合致する。県は、スポーツ面からの地域再生に向けて、JFAとの連携をさらに強めてもらいたい。

 県内では震災と原発事故の後、屋外での運動が制限されたことなどが原因となって、肥満傾向児の増加や運動能力の低下が課題となっている。子どもの成長に必要なのはスポーツだけではない。

 JFAは、食育の推進や体力強化に向けて専門家を派遣することも計画している。子どもたちが正しい運動の方法や食生活を身に付けることによって、大人になった時に健康を維持し社会で活躍できるようになるはずだ。

 JFAは、今年初めていわき市で開いた18歳以下の女子サッカー大会を新年度にも男子に拡大し、将来的には海外チームを招いて国際大会にする方針だ。

 サッカー男女日本代表は、20年東京五輪の事前合宿をJヴィレッジで行うという計画だ。本県はいま原発事故の風評に悩んでいる。国内外の選手やその家族、ファンらに、より多く県内に足を運んでもらい、県内の様子を実際に見て知ってもらうことが風評を拭うことにつながる。