【3月18日付社説】五輪野球開催決定/復興を世界に発信する好機に

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 国際オリンピック委員会(IOC)は2020年東京五輪の追加種目である野球・ソフトボールの一部試合を福島市の県営あづま球場で行うことを決めた。

 「復興五輪」として位置付けられている東京五輪・パラリンピックは、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に取り組む本県の姿を世界に発信する好機だ。競技開催へ万全の体制を整え成功に導きたい。

 東京五輪では、国内外から多くの選手や応援団、観光客が来県する。県内を訪れて、実際に見てもらえば、多くの人たちに本県の理解者になってもらえることだろう。大会は3年後に迫る。県や市町村、団体はいまから効果的な情報発信策を練り、もてなしに磨きを掛けてもらいたい。

 野球とソフトは国民的スポーツだ。本県での競技開催は、世界トップクラスの選手を間近にできる機会であり、県内外を問わず子どもたちの関心が高いだろう。子どもたちを試合に招待したり、事前練習を含めて選手のプレーを見たりできるような計画も大切だ。

 本県での開催決定は、あづま球場の改修が前提になっている。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)と大会組織委員会は球場のバリアフリー化や内野の芝生化などを求めている。県は、組織委と連携して整備計画をまとめ、準備を進めてもらいたい。

 組織委は、日本代表の開幕試合となる予選各1試合の実施を想定している。しかし、野球の大会方式については、組織委とWBSCとの交渉が難航しており、決定が先送りされている。大会方式が決まらなければ日程は定まらず、選手の宿泊場所の確保など本県の開催準備にも支障が出る。組織委はWBSCとの調整を進めて早急に結論を出すべきだ。

 内堀雅雄知事は、本県での競技開催決定を受けて「福島市での開催が、県全体の元気につながるような状況をつくりたい」と述べた。本県の復興を世界に発信し、競技開催を成功させるためには県民の協力が欠かせない。

 県や市町村、関係団体は、会場地の福島市だけでなく、より多くの県民が五輪を応援したいという機運をつくることが重要だ。そのための関連事業などメニューを用意してもらいたい。

 東京五輪が開催される20年は、震災と原発事故から10年目の節目に当たり、「復興・創生期間」の最終年度でもある。政府と県には、復興への取り組みをさらに加速させて復興五輪の理念を具現化するよう求めたい。