【3月24日付社説】教員不祥事厳罰化/根絶への意識高める手段に

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 県教委は不祥事を起こした教職員に対する懲戒処分の基準を見直した。児童生徒への影響が大きい体罰やわいせつ行為について厳罰化した。5月1日から適用する。

 厳罰化は、不祥事に歯止めがかからない現状に対する県教委の危機感の表れといえる。県教委は全ての教職員と意識を共有し、不祥事の未然防止に全力を挙げなければならない。

 教職員の懲戒処分は、厳しい順に免職、停職、減給、戒告の4段階となっている。

 体罰の基準はこれまで、児童生徒に死亡、また重い後遺症を負わせた場合は免職または停職と定めている。それ以外のけがについては基準が曖昧だったため、新しい基準では症状ごとに処分を明確にした。言葉の暴力によって精神的苦痛を負わせた場合も症状に応じて免職、あるいは停職などとすることを明記した。

 一方、わいせつ行為の処分は最も軽い戒告を廃止し、性的な内容の手紙やメールを送った場合でも停職か減給の処分とする。
 懲戒処分の公表基準も見直した。道交法の違反者は飲酒運転やひき逃げなど重大な違反に限って公表しているが、今後はこれ以外の違反者も全て公表する。

 不祥事をなくすためには厳罰化もやむを得ない。不祥事を起こすのは約1万9000人の教職員のうちのごく一部にすぎないが、未然防止に向けては全教職員が各職場で意識を高め合うことが重要だ。

 懲戒基準の厳罰化はこれまでも行われてきた。前回の見直しは2009年で、懲戒処分の総数そのものは減少傾向にある。しかし、体罰とわいせつ行為はいずれも横ばいで、処分全体に占める割合は高まっている。

 こうした状況などを受け、県教委は昨年夏、全教職員を対象に、管理職が個別面談を行い、課題を洗い出した。さらに11月には臨時の県立学校長会議や教頭を対象にした研修会を開き、教職員に服務規律や法令順守の徹底を求めた。

 しかし、その後も不祥事に歯止めがかからず懲戒処分は相次いでいる。本年度の懲戒処分はこれまでで24件に上る。厳罰化は不祥事の防止に一定の役割を果たすが、根本的な解決策にはならないことを念頭に置き、対策の充実を図らなければならない。

 体罰は、児童生徒との意思疎通が不十分だったり、指導力が不足していたりすることが引き金になる場合がある。校長や教頭らが指導上における悩みを聞くなど教職員に対する支援環境を整えることも欠かせない。